大規模な金融緩和の実施とその後の経済動向
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「黒田東彦」の記事における「大規模な金融緩和の実施とその後の経済動向」の解説
2013年4月、黒田は総裁の就任後初めてとなる金融政策決定会合で、2%の物価目標を2年程度で実現するために日銀が供給するマネタリーベースを2年間で2倍にするなど大胆な金融緩和に踏み切った。2012年12月時点で138兆円だったマネタリーベースは、14年末には270兆円に拡大する見通しとした。実際の推移は右のグラフ参照。 2014年1月31日に発表された12月消費者物価指数(除く生鮮、コアCPI)は前年比プラス1.3%と、黒田日銀の2014年度見通しに一致するところまで上昇した。次項のグラフ参照。日本銀行が2013年4月に2年程度で消費者物価上昇率を2%まで高めるという「物価安定の目標」を掲げた際には、目標の達成は不可能との見方が大勢だった。しかし、2014年1月現時点では消費者物価は概ね日銀の目標に沿った動きとなっている。消費税率は2014年4月に5%から8%へと引き上げられる。消費税率引き上げによってコアCPIは2%程度押し上げられるとの見方がコンセンサスとなっている。 2014年3月19日、都内で開かれた国際通貨研究所主催の講演会で、失業率はすでに3.7%まで低下しており、3.5%と試算される自然失業率に近い「ほぼ完全雇用状態」と指摘している。 経済産業省が2014年5月29日に発表した4月の商業販売統計速報によると、小売業販売額(全店ベース)は、消費税引き上げに伴う反動減が市場予測を超える1997年を上回る落ち込みとなり、前年比4.4%減の11兆0110億円となった。 2014年5月30日、総務省が消費増税分を含めた4月の全国の消費者物価指数(2010年=100)を発表し、コアCPIは前年同月より3.2%上がり103.0となり、増税の影響で1991年2月以来、23年2カ月ぶりの高い上昇幅となった。日本銀行は、消費税率引き上げによる4月の物価の押し上げ分は1.7%と試算しており、増税の影響を除いた上昇幅は1.5%としている。 2014年6月13日、黒田日銀は消費増税の影響は自動車など耐久財に明確としつつ、想定内とし、2015年度をめどに2%の物価目標を達成する見通しは変わらないと強調した。4月の消費者物価指数は増税の影響を除き前年比1.5%上昇したが、今後しばらくは1%台の前半で上下するとの見通しを示した。
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