たじゅう‐ぼうぎょ〔タヂユウバウギヨ〕【多重防御】
多重防御(バリア)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/14 01:19 UTC 版)
日本では地層処分において以下の4段階の遮蔽措置(バリア)が検討されているが最終決定には至っていない。人工バリアは放射性物質を生物環境から隔離するために設けられる障壁のうち、最も内側にある第一から第三の機能である。 第一バリア ステンレス容器に封入したガラス固化体 使用済み核燃料の再処理工場から出る高レベル放射性廃棄物は濃縮されガラスに融解させステンレス製(肉厚約5mm)のキャニスター(直径約43cm、高さ約134cm、容量170リットル)の中で固化する。ステンレス製キャニスター(ステンレス鋼(SUS)のほか耐熱鋼(SUH)を用いる場合有り)5mmは貯蔵期間中の腐食を考慮し余裕を持たせている。ガラス固化体(正味体積150リットル、正味重量約400kg)は発熱量が、平均2.0kW(最大2.5kW)であり、30~50年間冷却の為に地上施設で管理貯蔵された後に地層処分される。 第二バリア オーバーパック 地層処分に際してはガラス固化体の入ったステンレスキャニスターは直径約80cm、高さ約170cm、壁厚約19cm、重さ6トンのオーバーパックと呼ばれる金属容器に収納・密閉される。材料には炭素鋼、チタン、銅が検討されている。このオーバーパックにより1000年間の遮蔽を目指している。 第三バリア 緩衝材 さらにその周りを厚さ約70cm粘土製の緩衝材ブロックで囲み、地下水や放射性物質の漏出を遅延させる。 第四バリア 天然バリア 最後のバリアが地下数百メートルという岩盤による遮蔽である。第一・第二バリアが腐食・破損し放射性物質の漏洩が始まってからも地層により地上への拡散を何万年も押さえ込めるという想定である。
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