報道での公平さ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 15:38 UTC 版)
大学分野の報道、特に大学チーム対象の競技会の報道などに多い例だが、その大学が含まれる競技分野の歴史やそのなかにおける当該大学の活躍度などにより、略称名の使用において必ずしも公平な扱いにならない場合がある。本来は報道する側の姿勢として、類似の大学名を列挙する場合に、あえて安易に略称や愛称は使用しない配慮するなどの見識が望まれるが、実際にはそういう例でも一部の大学にのみ略称や愛称を使用する場合が多く見受けられる。伝統校(その分野において古くから活躍して認知度が高い大学)とされる大学にはそれに応じた認知度が高い略称や愛称がある場合が多いため、当該大学にはその認知度の高い略称をそのまま用いる一方で、認知度が高くない大学や新興大学の場合は、略称を用いないでフル校名記載をするなどといった例がある。 【例】全日本大学野球選手権大会の第42回大会(1993年)には、関西学院大学、関東学院大学、関東学園大学が揃って出場したが、同大会のトーナメント表を報じたスポーツ関連記事では、関西学院大学のみは、「関学」の略称が使用され、他の2校はフル校名記載となった例が多かった。 この様な場合の報道する側の立場としては、特定大学への贔屓ではなく、解かり易さという観点や判断により善意で行なっているものであるが、略称に対する個人の思い入れの違いから、列挙している中で扱いに差があることに対して公平さに欠けるとの指摘や論争の要因にもなっている。通常は創設時期や社会的な認知度が上がった時期を考慮し、多角的な意味(単純に学校の創設順番のみを考慮しているわけではない)での後発校側が自発的に過去の類似名称校との区別を意図する目的で、既存の有名なものとは別な略称名を積極的に用いるのが通例であるが、特に社会的にその大学の印象の良好な大学の略称については、「我こそが相応しい」あるいは「こちらにもその使用する権利や道理がある」などの心情が複雑に絡み合い、感情的な論争や主張に発展する場合がしばしば見受けられる。
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