堆肥の効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/21 14:05 UTC 版)
堆肥には土壌の化学性、物理性、生物性を改善する効果がある。 土壌の化学性の改善 窒素・リン酸・カリウム(肥料の三要素)の供給。さらに石灰や苦土(マグネシウム)等の多量要素やホウ素や鉄等の微量要素を含めて、肥料分の直接供給源になる。また、堆肥が分解される過程で生成される土壌有機物は保肥力の向上にも効果がある。 土壌の物理性の改善 土が軟らかくなるため通気性、水持ち、水はけが良くなり、植物の根の伸長や養水分の吸収が改善される。土壌の団粒形成を促進して土壌の物理性を改善し、作物の根圏の環境をよくする。 土壌の生物性の改善 堆肥の分解者(土壌動物や菌など)が増えることで生物相が豊かになり害虫や有害な病原菌の繁殖を抑える。 以上は相互に関連しており、堆肥によって土壌の通気性や保水性など物理性が改善することで微生物の活動環境がよくなる効果もある。また養分を吸着保持し、作物に有害なアルミナや重金属と結合して植物の根を守る効果もある。 生産面では環境に配慮した安全・安心な農産物を求める消費者ニーズに対応することができる効果もある。植物体の活力が高まるため生産物の食味や色、貯蔵性などがよくなる効果もあるとされる。
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