基礎体温の異常と不妊・月経異常
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 04:11 UTC 版)
「基礎体温」の記事における「基礎体温の異常と不妊・月経異常」の解説
基礎体温は、ホルモン分泌の乱れを原因とする生理不順・不妊・機能性不正出血などの原因推定に役立つ場合がある。 無排卵月経 無排卵に陥ると、無月経や稀発月経になったりするほか、短い周期で頻発月経を繰り返したり、これらの周期をランダムに繰り返したりする場合がある。また、ホルモンサイクルの区切りがはっきりしないため、少量の生理がなかなか終わらなかったり、長期間だらだら続く不正出血を起こすこともある。ただし、無排卵でも一見 順調な生理であるかのように定期的な出血が訪れるケースもあり、基礎体温を測ってみて初めて無排卵だったと判明する人もいる。高温期がなく低温期のみの、平坦な一相性のグラフ ギザギザが大きく、連続した明確な高温相は読み取れないグラフ 黄体機能不全 低温期の日数は生理周期の長さによって個人差があるが、高温期すなわち排卵~次の生理までの日数は正常なら誰でもほぼ正確に14日(±2日)で、高温期がしっかり持続していないのは黄体ホルモンの分泌が不十分な表れであり、頻発月経や着床困難による不妊の原因になったりする可能性がある。高温期が短い(10日未満) 高温期の途中でガクンと下がってしまう谷間がある 高温期の上がり始めが鈍く日数がかかったり、生理のだいぶ前から下がり始めたりする 高温期と低温期の差が小さい(0.3℃未満) 持続黄体依存症 非妊娠時に何故か通常より黄体の寿命が伸び、なかなか生理が始まらない現象。今のところ、原因等の詳細は不明。妊娠していないのに、高温期が長く続いている(18日以上) 黄体化未破裂卵胞(LUF) 黄体化非破裂卵胞、黄体化無排卵卵胞症候群(LUFS)とも。通常、基礎体温で高温期に移行すれば排卵が行われたと判断できるが、ときに無排卵のまま不完全に黄体化した卵胞から黄体ホルモンが分泌され、あたかも排卵済みのような様相を呈することがある。実際には排卵されていないので当然ながら妊娠は期待できず、このような状態の見極めは、産婦人科でのエコー画像による診断を要する。正常な排卵後に比べると黄体化が弱めで、基礎体温に黄体機能不全と同様の特徴が見られる場合もしばしばある。
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