基本理念と会則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/24 00:11 UTC 版)
フランシスコ会の基本理念は、貧しいイエス・キリストの生涯を範として、その福音を使徒と同様忠実に生き、ローマ教皇に対してはあくまでも従順をつらぬき、人びとに「神の国」と改悛(悔い改め)を説くことにあった。かれらは粗衣に裸足で宣教しながら各地をめぐり、とくに会として個人として一切の所有権を放棄し、貧しいなかで手仕事により生計を立て、不足する部分については他者の喜捨にたよった。 フランシスコ会は、同時代に設立されたドミニコ会とともに、居住する家屋も食物ももたず、人びとの施しにたよったところから「托鉢修道会」ないし「乞食僧団」とよばれ、どの教会管区にも属さず、ただローマ教皇にのみ属した。フランシスコ会は、清貧と禁欲の生活を理想としており、その戒律はベネディクト会のもの(服従、清貧、童貞)と大きな点で相違はなかったが、ただし、これを文字通りに、また、徹底的に実行した点で従来のベネディクト派の修道会とは異なる性格を有している。 1221年につくられたフランシスコ会の会則は、以下のような内容である。 われらの主イエス・キリストの福音を守り、服従のうちに生き自分の物な何も持たず、常に貞節のうちにあらんことを。修道士は頭巾付き上着1枚だけ持ち、履物は必要な者だけに許される。衣服は着古したもので、袋地か、ぼろでつぎはぎさるべきこと。高価な衣装を着、美味な飲食物を食べている人を見ても軽蔑したり裁いたりしてはならず、むしろ自分自身を裁き軽蔑せよ。直接にせよ間接にせよ金銭を受け取ってはならず、何物も所有せず、清貧と謙譲のうちに主に仕え、喜捨を請うことを恥じず、清貧を友とせよ。
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