型式学的研究と層位学的研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 08:36 UTC 版)
「型式学的研究法」および「層位学的研究法」も参照 土器は、他の遺物と同様に型式学的研究がなされ、時間を計る物差しとして考古学上の編年の指標や研究の対象とされる。型式学的研究法とは、19世紀後半にスウェーデンの考古学者、オスカル・モンテリウスらによって提唱された研究方法である。土器の場合、形態や装飾にあらわれる時間的、地域的特徴を丹念に調べ、個々の道具がもつ直接的な機能や用途と、装飾の技法など直接的な機能とは関係のない属性の両側面から検討し、こうした変化のあり方を時間的・空間的に配列して、変化の方向性をとらえ、各遺物の用いられた社会や文化の特性を明らかにしようというものである。 層位学的研究は、地質学でいう「地層累重の法則」を考古学に応用したものであるが、考古学ではこれに加えて遺構相互の切り合い関係によっても年代の相対的な新旧関係を検討する。日本においては、土器型式名は層位学的研究法を土台としており、型式命名のもととなった遺跡を標式遺跡と呼んでいる。縄文土器について、層位学的研究によって、ひとつひとつの土層(地層)から出土した土器の編年研究を、ねばり強く進めた先駆者が山内清男であった。山内、八幡一郎、甲野勇らによる縄文土器の型式編年は、世界の先史土器研究のなかでも精緻をきわめる一例であると評価される。
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