地質学・地球物理学と化石
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 00:08 UTC 版)
化石を堆積物としてみた場合、そもそも「古生代」「中生代」「新生代」など地質時代の区分(地質年代)は、化石にもとづいて定められたものであり、カンブリア紀は俗に「三葉虫時代」と呼ばれたりする。 地質学研究の分野において化石を利用する目的には、 それぞれの地層を時代ごとに分けること。 地理的に隔たった地域の地層を互いに時間的に対比すること。 化石をふくむ岩石が堆積する際の諸条件を研究すること。 などがある。後述する示準化石は1.の、示相化石は3.の根拠となる化石のことであるが、もとより、この二者は互いに対立するものではなく、示準化石であると同時に示相化石である場合も多い。 2.に関しては、三畳紀初期の陸棲の四脚歩行動物であるLystrosaurus(リストロサウルス)の化石がアフリカ大陸と南極大陸の両方で見つかったことにより、アフリカから南極まで乾いた陸の上を歩いたものと考えられ、それゆえ両大陸がかつて接続していた蓋然性があらためて指摘された。同様に、Cynognathus(哺乳類型爬虫類)、Mesosaurus(淡水性の爬虫類)、Glossopteris(シダ類)の化石がいずれもこんにち遠く隔たった複数の大陸にまたがって発見されている。このことは、南半球にかつてひとつながりの大きな大陸(ゴンドワナ大陸)が存在していたとする仮定、大陸移動説およびプレートテクトニクス理論の両仮説を裏付ける物的な証拠資料と考えられる。
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