地方自治と議会
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 16:45 UTC 版)
戦前においても地方議会は存在していたが、公選制ではなく、大日本帝国憲法に地方自治の規定もなかった。かつては市制・町村制にもとづいて各市町村に市会(しかい)、町会(ちょうかい)、村会(そんかい)が設置された。具体例は東京市会、東区 (大阪市)を参照。第二次世界大戦後、日本国憲法の施行に伴い現在の名称・組織となった。しかし、今日でも市町村議会の俗称として市会・町会・村会の名称が用いられている。なお、五大都市(京都市、大阪市、名古屋市、横浜市、神戸市)の議会は、政令指定都市市会議長会の申し合わせにより市議会を「市会」と呼んでいる。 第二次世界大戦後、日本国憲法第93条に規定が設けられた普通地方公共団体に、その住民に直接公選された議員をもって組織する議会を議事機関として置くことが明記され、根拠となっている。ただし、町村では条例で議会を置かず、これに代えて選挙権者の総会である町村総会を設けることができる(第94条及び第95条)。しかし、実際に町村総会が置かれたのは神奈川県足柄下郡芦之湯村(現在の箱根町の一部)と東京都宇津木村(現在の八丈町の一部)の二つの事例だけである。 なお、国会との違いでは、国会は国権の最高機関であり、唯一の立法機関であるとされている(憲法第41条)。これに対して、地方自治制度では首長制を採用しており、普通地方公共団体の議会の議員のみならず長も住民から直接選挙されるため、地方議会は地方公共団体の最高機関ではない。また、地方議会は法律の範囲内で条例の制定及び改廃権を有しているが、普通地方公共団体の長も規則の制定・改廃権を有している ことから、唯一の立法機関でもない。このため国会議員に認められている、不逮捕特権・院内発言免責特権は地方議会の議員には認められていない。
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