哺乳類の中枢神経系
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/07 16:45 UTC 版)
「膜電位感受性色素」の記事における「哺乳類の中枢神経系」の解説
哺乳類の中枢神経系におけるニューロン活動の光学的測定は、intactな中枢神経系とslice標本についてなされている。 intact intactの測定は両生類の場合と同じように、皮質におけるニューロン応答に限られている。これは、現在の光学的測定が二次元計測に限られ、三次元的計測に弱いという方法論的制約によるものであり、その適用の限界を示すものでもある。 Orbachら (1985) は、大脳皮質を露出した“まるごと”のラットを頭部が対物鏡の下になるようにして、顕微鏡の載物台の位置に固定し、口ひげを動かしたときの体性感覚野皮質でのニューロン応答と、眼球に光照射したときの視覚野皮質でのニューロン応答を、それぞれの124カ所の部位から記録した。皮質の染色にはstyryl系のRH414が用いられ、ニューロン活動は落射法により螢光シグナルとして測定されている。この測定によって、口ひげを動かした距離や、その持続時間により応答の空間的パターンが変化するという興味ある結果が得られている。なお、まるごとの動物を用いた大脳皮質におけるニューロン応答の測定では、この実験が最初のものである。これによって、光学的測定法を哺乳動物の中枢神経系にも適用できることが示された。slices : これに先鞭をつけたのはGrinvaldら (1982b) によるラット海馬スライスでの測定であり、これによって、海馬の研究に新しいルートがひらかれた。ラット脳から切り出された海馬のスライスをmerocyanine-rhodanine系色素 (WW401) で染色して、透過光の変化を10×10-素子のphotodiode arrayでdetectして、CA1錐体細胞におけるニューロン活動を見事に捉えている。
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