名詞句の構成要素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/17 21:44 UTC 版)
最も一般的な名詞句は、その主要部としての名詞と、0個以上の付加部(修飾語句)から成っている。名詞を限定・修飾する語句には、主に以下のようなものがあるが、詳細は言語によって異なる。 限定詞 - 冠詞・所有限定詞・数量詞など。英語では、the、this、my、someなど、日本語では「この」「その」「あの」など。 形容詞(限定用法) - 英語では、large、beautiful、sweeterなど。日本語の場合、形容動詞の連体形も名詞を修飾する。 形容詞句 - extremely large(とても大きい)、hard as nails(釘のように硬い)など、形容詞句の内部に、その主要部である形容詞を修飾する語句が含まれている。 分詞句 - made of wood(木でできている)、sitting on the step(段の上に座っている)など、英語では過去分詞または現在分詞が主要部になっている句。 修飾名詞(英語版) - a college studentという名詞句におけるcollegeなど、名詞が名詞を修飾する。 接置詞句 - 英語ではin the drawing room、of his auntなどの前置詞句、言語によっては後置詞句が使用される。後置詞に相当する日本語の助詞については、接置詞#日本語を参照。 関係節 - 英語ではwhich we noticedなど。 that節など、名詞を補う節 - 英語では、the belief that God exists(神が存在するという信念)という名詞句におけるthat God exists(神が存在するという)など。 不定詞句(to句) - a desire to sing wellという名詞句におけるto sing well、the man to beatという名詞句におけるto beatなど。 付加詞の使用形態や使用位置は、各言語のレクシコン(話者の脳内にある“辞書”)や構文上のルール(狭義の文法)によって決定される。スペイン語・フランス語などのロマンス諸語では、限定詞以外のほぼ全ての付加詞が、たとえ単独の形容詞であろうと主要部の後に置かれる傾向がある。逆に、日本語、トルコ語などでは、全ての付加詞が主要部の前に来る傾向がある。主要部とその他の語句の位置関係から、前者のような言語は主要部先導型(head-initial)、後者は主要部終端型(head-final)と呼ばれる。 英語は基本的に主要部先導型とされ、分詞句・接置詞句・関係節・that節のように比較的“重い”付加詞(句)は主要部名詞の後に置かれるが、限定詞・形容詞・修飾名詞といった短めの付加詞(句)は主要部名詞の前に置かれる傾向がある。なお、複数の短い付加詞が主要部名詞の前に連なることもある(#英語の名詞句を参照)。 主要部先導型言語と主要部終端型言語の比較については、主要部#主要部と言語類型論およびen:Head-directionality parameterも参照。
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