吊り技を多用した力士
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/07 04:15 UTC 版)
大錦卯一郎 肥州山栄 明武谷力伸 若浪順 陸奥嵐幸雄 大麒麟將能 玉の海正洋 貴ノ花利彰 大徹忠晃 霧島一博 貴ノ浪貞博 水戸泉政人 琴龍宏央 旭天鵬勝 把瑠都凱斗 朝青龍明徳 蒼国来栄吉 栃ノ心剛史 大正時代の大錦が出足から腹に乗せる吊りで「入神の域」と評され、幕内119勝中の4割近い47番を吊り出しで決めている。次いで元横綱・双葉山時代の肥州山が腕力と背筋力を生かした吊りで115勝中35勝を得ている。 昭和40年代には吊りの技術が高められ、明武谷(414勝中129番)、大麒麟(473勝中128番)、玉の海(469勝中102番)、貴ノ花(578勝中93番)、陸奥嵐(375勝中89番)、若浪(351勝中81番)等、多くの名手が輩出した。吊り上げ方は様々に分かれ、高い身長と腕力を活かして高々と持ち上げる(明武谷、對馬洋、貴ノ浪、旭天鵬、把瑠都)、筋肉質の軽量力士が背筋力や腕力を活かして豪快に持ち上げる(若浪、陸奥嵐、千代の富士、霧島、蒼国来)、アンコ型を活かして腹に乗せる(玉錦、大麒麟、北の湖、水戸泉)等がある。また、玉の海は寄りながら腰のばねを活かしてサッと吊り上げるので、外掛けで防ぐ暇がほとんどなく、非常に高度な技術を要するものであった。 しかし、平成に入ってからは、力士の大型化・重量化が進み、それに伴い足腰に負担のかかるこの技が見られることは次第に減った。特に琴龍が引退した後はしばらくの間あまり見られなかったが、エストニア出身の把瑠都が幕内に上がって以降、身長と怪力を活かした吊りをよく繰り出した。さらにモンゴル出身の両横綱・朝青龍と白鵬も、稀にこの技を使って勝利する事があった。 2020年現在の現役力士では、上述白鵬の他、栃ノ心・錦木の取組において吊り出しが見られることもある。
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