各務支考
芭蕉との出会いは元禄3年、芭蕉が幻住庵に入った頃と、蕉門では許六と並んで遅い入門であったが、芭蕉の臨終を看取るなど、密度の濃い付き合いがあった。
蕉門随一の理論家といわれる反面、正徳1年(1711)8月15日には、自分の葬儀を主催するなど風狂の風があり、毀誉褒貶もまた激しい。芭蕉も、其角や去来のような信頼を支考に寄せることはなかったが、気の置けない弟子として許していたようであることは、書簡などに見える。 死の床における支考の活躍は獅子奮迅のそれであって、芭蕉の遺書を代筆するなど、その師弟関係は見事に有終の美を飾ったのである。 上の図のように、生涯坊主姿でとおした。
盤子<ばんし>、隠桂<いんけい>は支考の別号。
支考の代表作
むめが香の筋に立よるはつ日哉(『炭俵』)
鳥のねも絶ず家陰の赤椿(『炭俵』)
卯の花に扣ありくやかづらかけ(『炭俵』)
夕貌の汁は秋しる夜寒かな(『炭俵』)
杉のはの雪朧なり夜の鶴(『炭俵』)
うき恋にたえてや猫の盗喰(『續猿蓑』)
春雨や枕くづるゝうたひ本(『續猿蓑』)
朧夜を白酒賣の名殘かな(『續猿蓑』)
蜀魄啼ぬ夜しろし朝熊山(『續猿蓑』)
しら雲やかきねを渡る百合花(『續猿蓑』)
里の子が燕握る早苗かな(『續猿蓑』)
帷子のねがひはやすし錢五百(『續猿蓑』)
二見まで庵地たづぬる月見哉(『續猿蓑』)
粟の穂を見あぐる時や啼鶉(『續猿蓑』)
何なりとからめかし行秋の風(『續猿蓑』)
居りよさに河原鶸來る小菜畠(『續猿蓑』)
一霜の寒や芋のずんど刈(『續猿蓑』)
煮木綿の雫に寒し菊の花(『續猿蓑』)
野は枯てのばす物なし鶴の首(『續猿蓑』)
食堂に雀啼なり夕時雨(『續猿蓑』)
縁に寐る情や梅に小豆粥(『續猿蓑』)
はつ瓜や道にわづらふ枕もと(『續猿蓑』)
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馬の耳すぼめて寒し梨子の花(『 去来抄』)
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