台湾語作品
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戦後の二二八事件とそれに続く白色テロの時代、国民党の反共を国是とする抑圧された統治社会の中で台湾本島の文学は抑圧の対象となり、生存空間が奪われた時代があった。1970年代以降、国際情勢の変化と共に台湾の本土意識が次第に顕在化すると、郷土文学がその歴史の舞台に登場、台湾郷土文学論戦を経て台湾語作品が登場する環境が次第に整備されていくことになる。 戦後最も早く台湾語で詩を表現したのは林宗源であり、続いて向陽が1976年より台湾語の詩の創作に着手した。1980年代初頭には宋沢莱、林央敏、黄勁連、陳明仁、胡民祥なども創作活動に加わり、戒厳令が解除された1987年以降は政治的束縛の消滅と、それに伴い抑圧されていた文芸活動が一気に萌芽し、様々な題材を用いた小説、散文、演劇など大量の台湾語作品が発表され、陳雷、李勤岸、荘柏林、路寒袖、方耀乾などの作家が登場した。しかし1990年以前の台湾語は試験段階にあり、その用字法が一定でなく、作品も様々な方法で執筆されていた。 1990年代になると台湾語の用字法が次第に統一されるようになり、見慣れない新字や古字が淘汰されていった。これは台湾語作品の読者層拡大の一つの要因となり、台湾の本土化が今後も進むと考えられる現在、台湾語作品はますます隆盛していくものと考えられている。
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