受章者選考手続き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 15:08 UTC 版)
文化庁文化審議会に置かれる文化功労者選考分科会の意見を聞いて文部科学大臣が推薦し、内閣府賞勲局で審査したうえ、閣議で決定する。文化勲章受章候補者推薦要綱(平成2年12月12日内閣総理大臣決定、平成2年12月14日閣議報告)によると、文部科学大臣は、“文化の発達に関し勲績卓絶な者”を文化功労者のうちから選考し、毎年度おおむね5名を内閣総理大臣に推薦する。文化功労者以外の者でも必要と認められる場合には選ばれることがある(この場合、併せて文化功労者になる)。 慣例として、当年のノーベル賞受賞者が文化勲章未受章の場合にも授けられてきた。この慣例は、未受章者であった江崎玲於奈が1973年(昭和48年)に物理学賞を受賞した際翌年受章することになったことに端を発し、それ以降のケースではノーベル賞と同年となった(これが“ノーベル賞受賞で政府が慌てて文化勲章を授ける”ように見える一因である。江崎以前のノーベル賞受賞者は全員が先に文化勲章を受章していた。1994年(平成6年)に文学賞を受賞した大江健三郎は辞退し、2019年受章の吉野彰(化学賞受賞) は文化功労者にも選ばれていなかった。また1974年(昭和49年)に平和賞を受賞した佐藤栄作は「文化に直結しない」として授与されていない)。 しかし2017年(平成29年)に文学賞を受賞したカズオ・イシグロは文化勲章が贈られず、この慣例は破られた。幼年期に母国日本を離れており作品を英語で書いているイシグロが、日本文化への貢献が顕著かどうか解釈が分かれるため、慣例通り文化勲章が授与されるかは注目された。なお、文部科学省はイシグロが文化勲章の選考から漏れた理由をコメントしていない。2018年にイシグロは旭日重光章を受章した。
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