原子論の教育
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 07:32 UTC 版)
「モルQ」も参照 仮説実験授業提唱前に刊行した『物理学入門』で、板倉は原子論的なものの見方考え方が、科学教育で大きな効果を上げると考えていて「原子論からみた力学入門」を書いている。この中の「原子論と重さの概念」は仮説実験授業の授業書〈ものとその重さ〉で物質不滅の法則を原子論的に明らかにしていくことで具体化された。「原子論からみた固体と力」は授業書〈ばねと力〉によって「弾性を持った原子の集合体としての〈固体のばねモデル〉」で具体化された。 1971年に板倉は『もしも原子がみえたなら』という絵本を刊行した。 これは実体積分子模型を全面にだして、空気を作る分子を生き生きとイメージしていくものだった。この絵本は1974年に研究会員の平林浩によって授業書化されによる、仮説実験授業研究会の中で「空気中の1億倍実体積分子図の色塗りをしながらお話を読んでいく」という授業が広まった。その授業によって小学生低学年から大人まで、だれでも分子模型をイメージすることが大好きになることが分かった。 1984年に鈴木隆が「授業書〈もしも原子がみえたなら〉の授業で、着色した発泡スチロールの玉を組み合わせて分子模型を作る」方法を発表した。さらに1985年に板倉と吉村七郎の共著記事「分子模型の作り方 発泡スチロール球で簡単に作れます」が発表され、1億倍の分子模型作りが確立した。その結果「原子や分子の授業は、自分たちで分子模型を作った方がずっと楽しい」ということが確認された。そして1992年、平尾二三夫によって「ユニポスカキャップ法」が発表され、空気中の分子だけでなくブドウ糖、砂糖、石けん、ベンゼンなどの大きな模型まで簡単に作れるようになった。小学校ではこれらの授業書と分子模型を用いて小学校1~2年でも原子や分子を楽しく教えることができることが示された。
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