原子論5つの原則
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 08:59 UTC 版)
「ジョン・ドルトン」の記事における「原子論5つの原則」の解説
ある元素の原子は、他の元素の原子とは異なる。異なる元素の原子は相対原子質量によって互いに区別できる。 同じ元素の原子は、同じ大きさ、質量、性質を持つ。 化合物は、異なる原子が一定の割合で結合してできる。 化学反応は、原子と原子の結合の仕方が変化するだけで、新たに原子が生成したり、消滅することはない。 元素は原子と呼ばれる小さな粒子でできている。 ドルトンは次のような「単純さ最大の法則」も提唱したが、独自に検証できなかったため論争を生んだ。 元素がある特定の比率でのみ結合するとき、それに反する証拠がない限り最も小さい整数個の原子が化合すると推定すべきである。 これは、自然の単純さへのドルトンの確信から生まれた単なる仮説だった。当時、化合物の分子を構成する原子が何個なのかを推論できる証拠は存在しなかった。しかし、相対原子質量を求めるには何らかの分子式を仮定する必要があり、このような法則は初期の理論には必須だった。ともかく「単純さ最大の法則」により、ドルトンは水の分子式が OH、アンモニアの分子式が NH だと推定し、それらは間違っていた。 ドルトンの原子説はその根幹が不確かだったが、その原則は生き残った。確かに、化学反応において原子がさらに小さな粒子に分裂したり、原子が生成したり破壊されたりしないという原則は、原子核融合や原子核分裂の存在と相容れないとも言えるが、そういった反応は原子核反応であって化学反応ではないとも言える。さらに原子には少しだけ質量の異なる同位体が存在するため、同じ元素の原子は同じ大きさ・質量・性質を持つという原則は正確ではない。それでもドルトンの生み出した原子説は極めて重要であり、アントワーヌ・ラヴォアジエの質量保存の法則以来の化学史上の重大な進歩だった。
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