厚生労働省の指針
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/01 03:28 UTC 版)
「企業内カウンセラー」の記事における「厚生労働省の指針」の解説
2006年に厚生労働省が策定した「労働者の心の健康の保持増進のための指針」によると、企業・事業場における心の健康づくりの際には、担い手や関係性によって分けられる4種類のケア、すなわち【1. セルフケア】【2. ラインケア】【3. 事業場内・産業保健スタッフによるケア】【4. 事業場外・専門家資源によるケア】の4つのケアが重要とされている。ついては、同指針における4つのケアの要旨と、それぞれのケアの概説をまとめ、表に示す。 4つのケアの要旨それぞれのケアの概説【1. セルフケア】 労働者自身が、自らのストレスに対処する 【2. ラインケア】 上司・管理職などの管理監督者が、部下のストレスに配慮する 企業内カウンセラー【3. 事業場内・産業保健スタッフによるケア】 内部産業保健スタッフが、セルフケアやラインケアを促進するため、企画立案・環境調整・対外窓口などを担当する 【4. 事業場外・専門家資源によるケア】 外部心理職専門家が、より専門的な心の健康づくりを提供するため、各企業・事業場内に参画し、心理カウンセリングなどを担当する その中で【3. 事業場内・産業保健スタッフによるケア】は、産業医、衛生管理者、保健師なども担い手の例とされているが、産業医の中で精神科・心療内科の専門医である者は、全体の約15%しかおらず、衛生管理者や保健師もケガや感染症予防などの労働安全衛生相談が中心となるため、精神保健のみの専門職という位置づけにはされていない。 そのため現実的な心の健康づくりに際しては、【3. 事業場内・産業保健スタッフによるケア】の担い手でもあり、同時に【4. 事業場外・専門家資源によるケア】の担い手でもある(外部)心理職専門家 を積極的に各企業・事業場内に招いて、大企業においては常勤雇用して常時待機させたり、中小企業においては委嘱契約などを交わして必要に応じて随時来所させたりといった実施可能な方法で企業内カウンセラーとして内部参画・活用し、産業医・衛生管理者・保健師ら産業保健スタッフと(外部)心理職専門家が各企業・事業場内において有機的に協力・連携しつつ、【3. 事業場内・産業保健スタッフによるケア】と【4. 事業場外・専門家資源によるケア】を同時に行うことが有効であると指摘されている。このように、必要に応じて心理職専門家を派遣するなど、顧問契約を結んだ各企業・事業場内へアウトソーシング形態で心の健康づくりを提供するサービスに「外部EAP(Employee Assistance Program:従業員支援プログラム)」があり、近年注目を集めている。
※この「厚生労働省の指針」の解説は、「企業内カウンセラー」の解説の一部です。
「厚生労働省の指針」を含む「企業内カウンセラー」の記事については、「企業内カウンセラー」の概要を参照ください。
- 厚生労働省の指針のページへのリンク