厚木市病院建設問題
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2015年(平成28年)9月8日、厚木市関口に建設された病院が、建物が完成し開院予定を5か月過ぎても開院できない状態になっていることが報道された。厚木市のパチスロ大手企業オーイズミが建設した認知症専門病院(180床)で、高齢者住宅とデイケア施設を併設を計画していた。オーイズミの会長は黒岩知事の関連政治団体に個人献金し、グループ会社2社が政治資金パーティー券を購入していた。 都道府県は開院許可申請の受け付け前に病院の安定経営確保のため指導をする場合が多く、神奈川県も赤字や休眠中の医療法人は、診療所で2年間黒字経営の実績を積むよう指導する内規があった。B(平成23年)12月にオーイズミが赤字の医療法人と提携して病院開設の意向を県に伝えた際、神奈川県厚木保健福祉事務所は実績不足や地元医師会との調整不足を理由として難色を示した。直後に黒岩知事の特別秘書が同事務所に対し「オーイズミから『ダメ出しされて困っている』と相談を受けた」と伝えると、同事務所は「基準をクリアすれば許可は出す」と姿勢を転じた。医療法人の指導を担当する県庁医療課は、当初は診療所で実績を積むよう求めたが、2012年(平成24年)6月にオーイズミは東京都内の休眠中の医療法人に提携先を変更。県は都内の医療法人であることなどを理由に内規を適用せず、2013年(平成25年)3月に開院を許可した。2013年4月に、建設用地が医療法人の債務不履行により差押を受け民事訴訟を提訴されて着工できなくなった。2014年(平成26年)に県はオーイズミが医療法人の土地を買い取って建設を許可する「異例の対応」を、病棟は2015年(平成28年)1月に完成、4月開院予定だったが、訴訟継続中のため開院できない状態が続いていた。この特別秘書である人物は菅義偉官房長官の公設秘書であったが、2011年に黒岩知事の特別秘書に起用され、県議会との確認事項で「政策形成に直接関与せず職員に命令や指示をしない」立場とされている。県医療課は「内規は県外法人にも適用されるが法的拘束力はない」「医療法上は県に病院着工の可否を判断する権限はない」としている。 病院建設用地の所有権をめぐる民事訴訟で、オーイズミは一審で敗訴したが、2015年(平成28年)12月3日に原告側とオーイズミおよび医療法人の間で和解が成立。和解を受け、病院はのちに認知症専門病院として開院した。
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