南北問題・開発途上国
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/24 01:43 UTC 版)
1959年、英国のロイド銀行の頭取であったオリヴァー・フランクスは、イデオロギーと軍事の対立である東西問題に比肩する重要課題として、地球上の北側に位置する先進工業国(Industrial Countries)と南側に位置する開発途上国(Developing Countries、発展途上国ともいう)との大きな経済格差を南北問題として指摘した。南北問題は、戦後次々政治的独立を達成したアジアやアフリカの新興国が、植民地時代の従属的な経済関係によってすぐには経済的自立を達成することができなかったことに起因する。 先進工業国と開発途上国の明確な分類の基準があるわけではない。一般に人口1人当たりの所得水準が低く、産業構造が第一次産業に偏った国を開発途上国と呼んでいる。国連、世界銀行、OECDなどの国際機関では、それぞれ異なった定義を用いている。OECDの開発援助委員会では開発途上国の定義をせずに、ODAの対象となる国々をリストに掲載している(DACリストと呼ばれる)。 開発途上国は1960年代までは後進国、低開発国などと呼ばれたこともあったがそれらの用語が差別的であるということで開発途上国に統一された。しかし、その後開発途上国から経済的に発展した新興工業経済地域(NIES)や逆に取り残された後発発展途上国(LLDC)などが出現してきたため、開発途上国という用語の有効性と妥当性について疑問が出された。「南」の国々というような通称が用いられることもある。
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