半死半生
★1.半死半生の人。
『半人前』(星新一『妄想銀行』) 半人前の死神がエヌ氏の命を危険にさらすものの、力不足でどうしても死なせることができない。実力のある死神と交替しない限り不死だ、と知ったエヌ氏は、半人前の死神に「ずっとそばにいてくれ」と頼む。以来エヌ氏は、たえず怪我や病気に苦しみつつ、死なないことを喜ぶが、時々わけのわからない気分になる。
★2.半死半生の動物・植物。
『聴耳頭巾』(昔話) 村の長者が5~6年前に土蔵を建てた時、屋根板に蛇が釘で打ちつけられ、半死半生のままでいる。そのため村の長者の娘が長患いをする。また、町の長者が5~6年前に離れ座敷を作った時、庭の楠木を伐り倒し、その切り株が雨だれに打たれて死にきれずにいる。そのため町の長者の旦那が大病になる(岩手県上閉伊郡土淵村)→〔鳥の教え〕8。
『古今著聞集』巻20「魚虫禽獣」第30・通巻695話 60余年以前に建立された薬師堂の屋根を葺き替えた時、大きな蛇が釘に打ちつけられたまま、生きているのが発見された。蛇の下の裏板は、油でみがいたように光っていた。
『西鶴諸国ばなし』(井原西鶴)巻1-2「見せぬ所は女大工」 京の御屋敷の奥方が、背骨に大釘を打ちこまれる夢を見、目覚めると畳に血が流れていた。屋敷内を調べると、比叡山の札板に、守宮(やもり)が釘で打ちつけられ、まだ生きて動いていた。それを焼却して後、災いはなかった。
『呂氏春秋』巻25「似順論・別類」 魯の国の公孫綽という者が、「私は死人を生き返らせることができる」と豪語した。「どのようにして」と問われて、彼は「私は以前から、偏枯(=半身不随の人)を治してきた。偏枯を治す薬を倍量与えれば、死んだ人も生き返るはずだ」と答えた。
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