勝利油田
【英】: shengli oilfield
中国山東省、黄河下流域の済南市付近から河口にかけて散在する大小油田の総称(油田群)であり、大慶油田に次ぐ同国第 2 の油田。 勝利油田を構成する代表的な油田は、孤島油田、勝坨油田など。大慶油田から派遣された作業隊により 1962 年に発見され、その年の内に生産が開始された。生産された原油は、各油田と辛店、済南、青島などとを結ぶパイプラインで輸送され、処理・出荷される。1998 年の組織改変によりシノペックの管理下に入り、現在の操業会社はシノペックの勝利油田分公司である。 地質区としては華北盆地(リフト盆地)に属し、集油形態は背斜構造、断層封塞など。油層は第三紀の砂岩で、深さは 2,300m 前後。究極可採埋蔵量は約 50 億バレルと見積もられている。原油の平均的な性状は、比重 25.5°API、イオウ分 0.91 %、ワックス分 15 %、流動点 27.5 ℃。油層の圧力維持のため、油層への水圧入(水攻法)が行われている。2004 年の産油量は 2,674 万トン(51.2 万バレル/日)。 主文献『世界の大油田』(1984)、『中国の石油産業』(1985)、『石油地質・探鉱用語集』(1989)、“Oilfield Development in China”(1992)、『中国の石油と天然ガス』(2004) (齊藤 隆、2006 年 3 月) |

勝利油田
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勝利油田(しょうりゆでん、拼音: )は、中華人民共和国で、大慶油田に次ぎ二番目に操業が開始された大油田。山東省東営市を主要部分として浜州市など8つの市と28の県区に跨る。
概要
1959年発見の大慶油田に遅れること3年、中ソ対立が深まりつつあった1962年に発見され、そのことが「勝利」であるとして、そのままの名称となった。
油田開発から40年が経過し、陸続きに69の油田が発見された。原油の最高年間生産量は3355.19万トン、2003年までの累計原油生産量は7.99億トンに達した。2003年の原油生産量は2665.51万t、天然ガス8.1億立方メートルであった。2004年の原油生産量は2674万トン、天然ガス生産量は9億立方メートルであった。
新しい地質探査技術を利用することで、今までとは違う地層を探査することが可能になった結果、勝利油田は新たに6.46億トンの原油埋蔵量があることが判明した。2004年に発見した油田の埋蔵量は2812万トンに達する。かつての油田の改造と新たな油田により増産量は132万トンに達すると目されている。事故の項で述べるように、鉱区は2010年現在、渤海海域にまで拡大し、海底油田として開発が進んでいる。
2021年にはシェールオイルの探査が進み、有望な油井が見出されている[1]。
生産
現在、中国石油化工股份有限公司の子会社である、勝利油田有限公司が勝利油田の原油及び天然ガスの探査、開発、生産、貯蔵と輸送を行っている。
事故
2010年9月7日、沖合8kmの海上で海底油田のプラットフォームが45度まで傾斜。海難救助隊のヘリコプターにより34人を救出したが、2人行方不明[2]。
出典
- ^ “シェールオイル探査で進展、埋蔵量40億トン超の予測も 勝利油田”. AFP (2021年11月6日). 2021年11月7日閲覧。
- ^ “中国山東沖の油田で事故、2人行方不明”. Asahi.com(新華社の報道を引用) 2010年10月3日閲覧。
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