水攻法
【英】: water flood, water flooding
同義語: water flooding
油層に水を圧入することで人工的に排油エネルギーを付与して生産レートを維持し、究極採収率を向上させる方法をいう。この方法を適用する概念としては、(1) 一次採取によりかなりの油が産出されたあと、油層内の孔隙{こうげき}中に残留している油を水によって押し出すこと、(2) 原油の産出に伴う油層圧降下を防ぎ油層圧力を維持すること、の二つの考え方に分けられる。 水攻法は前者の概念により、枯渇油田からの生産を増加させる目的で適用され始めたが、最近では、油層圧を沸点圧より高く維持し、生産レートを高く保ちながら採収率向上を目指す後者の概念で、生産開始後の比較的初期から適用されることが多い。後者の目的を達する方法としては水の圧入ばかりでなく、ガスを圧入する方法もあるが、これらの方法をまとめて油層圧維持法(pressure maintenance)と呼ぶようになってきている。水攻法の実施にあたっては、油層条件(構造の形状、有効層厚、油層の連続性、浸透率、圧入指数、流体の性質など)を十分に検討し、圧入パターン、坑井間隔、圧入/生産レートなどを決定しなければならない(→圧入パターン)。また、油層内における閉塞{へいそく}や圧入施設のスケール付着、腐食を防ぎ、長期間にわたって安定的に水攻法を行うための圧入水の水質管理も操業上重要な点である。 |

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