熱攻法
【英】: thermal recovery
油層に熱エネルギーを与えることにより、原油の粘度を下げて採収率を増加させる方法をいい、地上で発生させた熱エネルギーを水蒸気の形で油層に圧入する水蒸気圧入法(steam injection)と、油層内において原油の一部を燃焼させることにより熱エネルギーを発生させる火攻法(fire flood)に大別される。熱攻法はその原理から、オイルサンド・オイル、重質油といった粘度の高い原油の採収に適用されることが多い。水蒸気攻法は、さらに狭義の水蒸気攻法(steam flood)と水蒸気刺激法(steam stimulation)に分類される。前者はパターンを組んだ圧入井より水蒸気を油層に圧入し、生産井より原油を採取する方法である。後者は、1 坑井にある期間水蒸気を圧入後、数日密閉し生産に切り替える方法で steam soak 法や huff-and-puff 法とも呼ばれる。水蒸気刺激法により、坑井間の流体移動が可能となると水蒸気攻法に切り替えるのが一般的である。水蒸気攻法の変形として水蒸気の代わりに熱水を圧入する熱水攻法(hot water injection)もあるが、効果は蒸気の場合に比して劣る。火攻法は油層内燃焼法(in-situ combustion)とも呼ばれ、以下の 3 種に大別される。前進式火攻法(forward combustion)は圧入井より空気を連続圧入し着火に伴う燃焼帯の移動に伴い原油を生産井に駆逐する方法。湿式火攻法は空気圧入 ―燃焼の後に効果的な熱の移動をねらい、水と空気を交互に圧入する方法で wet combustion 、COFCAW 法とも呼ばれている。後退式火攻法(reverse combustion)は空気を圧入井より圧入するものの着火は生産井で行う方法で、熱による原油の粘度低下の割合が大きいことが特徴である。 |

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