ミシブル攻法
【英】: miscible flood
増進回収法の一種で、油層内の原油と完全に溶けあう(ミシブル状態を形成する)流体を圧入して、貯留岩の微細孔隙{びさいこうげき}中に残存する原油を採収する方法である。 ミシブル状態では両流体は一相になり、界面張力はなくなるので、毛細管圧力により原油が取り残される現象が生じないため、理論的には 100 %の原油採収が可能であるが、実際の全体的な採収率は原油と圧入流体の易動度比に大きく依存する。これは圧入流体がガス体であることから、油層内流体(原油)との粘度差、密度差が大きくなり掃攻効率が低下するためである。易動度比を改善し掃攻効率を上げる方法として、水とガスの交互圧入法がよく用いられる。ミシブル攻法は圧入流体との間で一相状態になる条件が油の性状により変わるため、メタンを主成分とした高圧天然ガスを圧入する高圧ガス圧入法、ガス中の C2 ~ C6 成分によりミシブル状態をつくるエンリッチ・ガス圧入法、比較的低い圧力下でミシブル状態になる炭酸ガスを圧入する炭酸ガス圧入法( CO2 flood)などとさらに細分化される。また、最近では窒素ガスによるミセブル攻法も研究されている。 |

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