動的防衛力との違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 08:49 UTC 版)
「統合機動防衛力」の記事における「動的防衛力との違い」の解説
新大綱では、強力なリーダーシップの下で迅速な意思決定、地方公共団体、民間団体などとも連携を図りつつ、事態の推移に応じ、政府一体となってシームレスに対応することで国民の生命財産と国土防衛をなすと明記される。根底にある考え方は2010年に民主党がまとめた前大綱と大きく変わらないものの、新中期防衛力整備計画では防衛費を増額させ新型ティルトローター機や無人偵察航空機の導入、水陸機動団の新設計画を示すことで防衛力強化の姿勢を示している。新概念では統合運用の徹底、海上・航空優勢の確保や機動展開能力の整備、指揮統制・情報通信能力の強化、幅広い後方支援基盤の確立を挙げているものの、日本国際問題研究所の小谷哲男は、統合機動防衛力は動的防衛力の更新版であるとの評価を下している。 統合機動防衛力は、厳しさが増した日本周辺の安全保障環境に対応不十分になる可能性が生じより烈度の高い事態に対応し得るように、ISR活動を中心とした抑止概念である動的防衛力に代わり、新たな抑止力の考え方としての性格を持たせた。その違いは概念の説明文において「機動性」、「柔軟性」および「多目的性」の文言が「強靱性」および「連接性」に入れ替わったと指摘されている。これにより動的防衛力で示された内容よりも質と量を必要かつ充分に確保し抑止力および対処力を高めると説明されている。このように強化された新概念で、ハードおよびソフト両面における即応性、持続性、強靱性および連接性も重視する防衛力に進化している。この新概念が与党プロジェクトチームで了承された際も、「多様な活動を継ぎ目なく機動的に行える、実効的なものにする考え方だ」と評価されている。
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