動物の陰茎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 19:06 UTC 版)
体内受精する動物の多くが精子を雌の体内に注入するため、雌の体内に差し入れることのできる管状の構造を発達させており、これが陰茎である。体内受精であっても、精包を受け渡すなど、交尾をしない型もあるので、体内受精する動物のすべてのオスが持っているわけではない。 陰茎は雄性生殖巣の出口に位置し、そこから突出するか、必要な場合に突き出すことができる。生殖巣の出口は肛門と共通であるか、あるいはそれに近い所にある例が多いため、陰茎もそこにある場合が多い(脊椎動物や昆虫類)が、例外もある。例えばミミズ類では体の前半、環帯より前の体節にあり、カタツムリなどでは体中央付近側面にある。 一つだけ持つ例も複数を持つ例もある。脊椎動物ではほ乳類や鳥類(あれば)やカメは一本、同じは虫類でもヘビやトカゲは一対である。無脊椎動物ではウズムシ類や昆虫は一本、ミミズ類は複数対を持つ。 なお、線虫類では交尾の際に雌の体内に挿入する針状構造があるが、精子が内部を通り抜けるのではないので、陰茎とは言わず、「交尾針」と呼んでいる。 有袋類の多くは二股に分かれた陰茎を持っている[要出典]。 クジラやイルカは陰茎の先を性交を楽にするためにある程度曲げることができる。 哺乳類の最小の陰茎はヨーロッパトガリネズミの5mm、最大はシロナガスクジラで2mを越える(勃起時のサイズは交尾時にしか観察できないため測定は困難)。 鳥類で陰茎を持つのはダチョウ目、シギダチョウ目とカモ科である。これらの陰茎は哺乳類と構造が異なり、総排泄孔壁のリンパ液での勃起による。鳥類の中でもアフリカオタテガモは体長の半分近くになる、体の大きさに対し全脊椎動物中最長の陰茎を持つ[要出典]。 爬虫類の有鱗目は2つの対になった半陰茎を持つ。 魚類の交尾鰭や交接器は鰭が変化して生じた。 昆虫の雄のペニスの相同器官は把握器 (aedeagus) と呼ばれる。
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