効果・反響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 20:48 UTC 版)
「赤ちゃん一時避難プロジェクト」の記事における「効果・反響」の解説
この一時避難の効果により、前述のように咳が止まらなかった子供、胃腸炎に侵されていた子供、湿疹がひどかった子供が別人のように回復を見せた。精神面においても、笑顔の失われていた子供が笑顔を取り戻した。ストレスで夜中に何度もミルクを欲しがっていた子供も、夜から朝まで熟睡するようになった。親の安心が伝わるのか、表情も豊かになった。ボランティアのスタッフの1人は、避難所から移ったばかりのときは表情の硬かった子供が、数日で笑顔が増えて走り回るようになったと語った。 参加した家族からは、「想像以上に子供たちにとって素晴しい環境」「心身共に休めた」「知り合いも呼びたい」「皆に教えたくて、子供がいる友達全員にメールした」といった喜びの声や、「今後のことも少しずつ考えていけるようになった」と前向きな声もあり、総じて、満足度は非常に高いようであった。避難生活を終えた家族同士が後に再会した際は、同様の立場の者同士として共通の話題が生まれるといった副次的な効果も見られた。 こうした結果から、子供に必要なのものは休息と栄養、そして思い切り遊んでストレスを発散させるために自由に遊ぶ場所と時間と考えられ、そのためには、たとえ一時的でも清潔な場所に避難させることが急務との意見もあり、乳幼児は母親の笑顔が大好きであることから、疲労している母親が元気を取り戻すこともまた重要と見られている。 発起人の安井は本プロジェクトの成功の要因を、震災からすぐに専門知識を持つNPOが結集し、その呼び掛けに応じて自治体が動いたことと語った。また、湯沢町の上村町長の要請に対して宿泊施設が即応、プロジェクトからの提案に対して南三陸町長・佐藤仁が受け入れを即断するといった具合に、行動力のある自治体が結束したこと、民間の実行力と官民が連携したことも、プロジェクト推進の原動力と見られた。さらに、プロジェクト終了までに医師21名、一般ボランティア229名など、マスメディアやインターネットでの募集に対して多くのボランティアが参加したことや、NPO一団体では行動力に限界があるが(一例としてJFASは医療系の団体のため、物流は広報は得意としていない)、様々な分野の複数のNPOが連携して活動したことも、プロジェクト成功の大きな要因の一つであった。
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