劇場以外での日本公開
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シンポジウム上映 前述のとおり、雑誌『創』編集長の篠田は、この映画が非難され、封印されようとしているとして、東京「なかのZERO小ホール」でメディア批評誌『創』主催での上映を後押しするシンポジウムが開かれ、市民団体の抗議を考慮して約20人の警官の厳重警備の中で6月9日に全編が上映された。この際550席に収まらない約70人がロビーで鑑賞した。このイベントで主演で来日中であったリック・オバリーが「表現の自由」を訴えたものの、映画監督の森達也が「僕の映画も上映中止騒動を起こそうかな。大ヒットは間違いない。でも、今更、表現の自由を言うのは情けないこと」とコメントした。 以上の上映会ののちに行われた加藤との対談の中で森達也は、一連の市民団体の抗議に関して「結局は内容が反日うんぬんじゃなくて、どの国の監督が撮ったかが問題なんですね。ほかの国の人が日本を批判するのが許せないとしか解釈できない。でも、そんなレベルじゃ、まるで話にならない。(中略)被写体になった太地町の人たちの言い分はまた別ですが、反日だからと上映に反対している人たちには、せめてそのレベルに達してほしいと思います」と語っている。 6月15日には日本ペンクラブ(阿刀田高会長)が「言論表現の自由にとって残念な事態がじわじわと広がっている。映画館・大学を含む公的施設は圧力に屈することなく上映機会を提供できるよう努力を重ねてほしい」と上映中止を憂慮する緊急声明を発表した。翌6月16日には日本弁護士連合会も宇都宮健児会長による「制作者の表現の機会を奪うものであり、表現の自由が大きく損なわれる」「上映を実施するよう求める」との声明を発表した。7月2日には日本映画監督協会(崔洋一理事長)が、「映画の事実誤認に対する指摘は本来製作者に向けられるべきもので、上映を企図する者や劇場を直接威圧することがあってはならない」とし「上映阻止運動に断固抗議する」との声明を発表した。 動画サイト配信 ニコニコ動画では2010年6月18日に「ザ・コーヴ」全編が公式で2000人限定で無料配信され、6月21日には鈴木邦男、藤江ちはる、ひろゆきが出演する「ザ・コーヴ」に関する討論番組が配信された。
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