前身・和歌山電灯
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1888年(明治21年)、神戸市に神戸電灯が開業し、関西地方においても電気事業の歴史が始まった。和歌山県内においては1890年(明治23年)9月に、和歌山紡績(後の和歌山紡織で大和紡績の前身)が大阪電灯(大阪市・1889年開業)から借用した発電機をもって夜間作業の照明として工場に電灯を取り付けたのが、県内電灯利用の端緒となった。ただし一般家庭に対する電気事業の起業はやや後のことであった。 和歌山市内においては、垂井清右衛門らにより1894年(明治27年)ごろから電気事業の起業が企画されるようになった。そして2年後の1896年(明治29年)3月の設立許可を経て同年5月「和歌山電灯(電燈)株式会社」の創業総会開催に至る。こうして設立された和歌山電灯の資本金は5万2500円。社長には市内の質商垂井清右衛門が就任し、取締役・監査役にも市内の有力商人4名が就いた。 開業は設立翌年の1897年(明治30年)6月29日であった。電源は石炭火力発電を採用しており、和歌山市畑屋敷松ヶ枝町の本社敷地内に発電所を設置。アメリカのゼネラル・エレクトリック (GE) から輸入した60キロワット交流発電機2台を据え付け、発電所から市内へと配電した。同時期に開業した大阪府堺市の堺電灯、奈良県奈良市の奈良電灯に比べて需要は堅調であり、電灯数は順調に伸びて1899年(明治32年)に1,000灯を超え、1903年(明治36年)には3,000灯に達した。
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