初出と定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 16:52 UTC 版)
ゴルトンは1883年、『人間の能力とその発達の研究』の脚注において、初めて「優生学」という用語を使用している。 優生(eugenic)は、ギリシャ語で何と呼ばれるかというと、「eugenes」、すなわち良い素質を持つ、遺伝的に気高い素質を授けられている、という意味である。これと、様々な関連する用語(「eugeneia」など)は、等しくヒトや動物、植物に対して応用されている。我々は、種の改良の科学を表現するに簡潔な用語をことのほか好むものであり、それらは決して賢明な交配という問題に限られたものではない。しかし、取り分け人類に関して言及するならば、その語はあらゆる作用について我々に気付かせることになる。それは、程度の差こそあれ、より環境に適合した人種や血統に対し、そうでない存在に優先して、より十分な機会を即座に与える作用である。「優生学(eugenics)」という語はそのような概念を余すことなく表現するものであり、それはより洗練された用語であり、少なくとも、私が以前試みに使ってみた「viriculture」という語よりは違和感がないであろう。 このように優生学(eugenics)の語源は、ギリシア語でeu(良い)、-genēs (誕生)を組み合わせたもので、「良い生まれについての学問」という意味である。1904年、ゴルトンは優生学を次のように定義した。 人種の先天的な諸特質を改善する、あらゆる様々な影響に関する科学である。そこには究極的に優れた状態へ人間を発達させることも含まれる。 優生政策は歴史的に次の2つのカテゴリーに分けられてきた。 積極的優生学 子孫を残すに相応しいと見なされた者がより子孫を残すように奨励する。 消極的優生学 子孫を残すに相応しくないと見なされた者が子孫を残すことを防ぐ。 積極的優生学は、優れた形質を持つと思われた人間を増やすことを目的に、複数の子供を持つ優れた素質を持つ両親を表彰したり、金銭的援助を与えるという手段を採る。消極的優生学は劣った形質を持つ人間に生殖を防ぐものである。
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