内部留保の推移
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 03:34 UTC 版)
従来、日本の上場企業は欧米と比べて、内部留保を重視し、株主への配当は低く抑える傾向があったが、2006年時点では大株主の要求や敵対的買収からの防衛策として大幅な増配に踏み切る企業も増えている。一方、利益剰余金(狭義の内部留保)も増加傾向にあり、1988年に100兆円、2004年に200兆円を突破。2012年には300兆円を突破し、過去最高の304兆4828億円を記録した。2000年代からは利益剰余金は増加していたが、現預金は平行線だった。なお、全ての企業を合わせると現金・預金資産は1989年の163兆7816億円をピークに逓減していたが、その後は再び増加傾向にあり、2012年に過去最高の168兆3240億円を記録した。2008年のリーマンショック後の企業は、自己資本率を高めて財務体質の強化を図るために内部留保を高水準で維持させている2013年時点では流動資産・固定資産・繰延資産など、会社の全ての資産を合算した『総資産』に対して現金預金を11.4%保有している。しかし、大企業と中小企業を比べてみると、総資産に対する現金預金の割合は、大企業が7.5%に対して、中小企業は17.8%となっていて、資金調達を金融機関の借入金に頼る中小企業ほど将来の経営危機時の資金調達として『内部留保』に比して現金預金を割合として多く保有している。金額ベースで大企業の約1.2万社は、海外投資した固定資産・将来の買収や合併資金が占める内部留保約200兆円に対して、現預金が約65兆円である。それに対して、中小企業は内部留保120兆円に対して、現預金が約105兆円としていることからも運転資金が確保出来ずに資金繰り悪化で倒産することを回避するために現預金の割合を多くして危機に備えていることが分かる。
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