共謀の疑惑
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/02 19:11 UTC 版)
「ブラック・ウィドーズ・オブ・リヴァプール」の記事における「共謀の疑惑」の解説
ヒ素による毒殺には共謀者がいるとしてキャサリン・フラナガンが渡した一覧表には、キャサリン自身の他に3名の毒殺者と、共犯者1名、死の際に保険金を支払った保険組合の代理人3名の名前があった。毒殺者にはマーガレット・エヴァンズ (英: Margaret Evans)、ブリジェット・ベグリー (英: Bridget Begley)、マーガレット・ヒギンスが、共謀に関与する保険組合の代理人にはマーガレット・ポッター (英: Margaret Potter)、ファロン (英: Fallon) 夫人、ブリジェット・スタントン (英: Bridget Stanton) が、毒殺者のうちの1人が要求していたヒ素を入手した人物にキャサリン・ライアン (英: Catherine Ryan) の名前が挙がっていた。フラナガンによれば、マーガレット・エヴァンズがこの犯罪の共謀を煽動した人物であり、ライアンが入手し、エヴァンズが管理した毒物で精神障害の10代の少年を殺害したのが最初だったという。この事件でエヴァンズは保険金を直接受け取っていないが、エヴァンズは少年の父親と付き合いがあり、そこから利益を受け取っていたことがほのめかされている。フラナガンが共謀に関与していると主張した女性たちは全員当時の疑わしい死亡事件でしばしば登場する。例えば、スタントン夫人はそのような死亡事件のうちの3件でかけられていた保険に関与しており、共謀者とされる女性のうちの2名以上は疑わしい死亡事件が起こる直前に死亡した人物の元を訪れていたのが目撃された。保険会社の監督者がトーマス・ヒギンスに保険証を発行する過程でトーマスに面会することを要求したとき、監督者はヒギンスの自宅でフラナガンでもヒギンスでもない女性と出会い、トーマスと称する人物を紹介された。後に、監督者はトーマスの遺体を見て、そのとき会った人物が実はトーマスではない全くの別人であることに気がついた。 フラナガンの証言は時折、自身の話や共謀について明白に事実のように思えることに対して矛盾していることがあった。ある事件で、スタントン夫人が殺人被害者の保険金の支払いに密接に関係しており、フラナガンがスタントンは共謀の片棒を担いでいたと認識していたにも関わらず、警察がスタントンを逮捕すると、フラナガンはスタントンは無実だと主張した。最終的にリヴァプール検察は、他の死亡事件は実際には殺人のようではあるが、ヒギンスやフラナガン以外の何者かがそれを実行したことを証明するのは難しいという結論を下した。特に、自分たち以外の女性たちが殺人に関与したという主要な証拠はフラナガンから提供されたものであり、フラナガンには犯行における自身の責任を最小化したいと試みるだけの理由が存在したことが考慮された。その結果、全捜査チームが4名だけが殺人の犠牲者ではなく、2人の姉妹以外にも殺人者がいると依然として疑っていたにも関わらず、フラナガンとヒギンスだけがトーマス・ヒギンス殺害の容疑で裁判にかけられた。
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