六人斬り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 06:20 UTC 版)
宴会を終え一同がぐっすりと寝込んでいた午前4時頃、1階で寝ていた萬次郎は起き上がりタンスから刃渡り一尺八寸の日本刀を取り出し、家族殺傷を決意。予め購入した櫁を仏壇に供え、仏壇前に毛布を敷き紋付羽織袴を毛布の上に載せ用意。遺書も用意した。 隣の部屋の襖を開け、寝ている義母こまの上に跨り右後頭部に向かって躊躇わず一太刀、「キャッ」と叫ぶこまにもう一太刀。叫び声に飛び起きたすみに対しても頭を斬りつけ胸部を袈裟掛けに浴びせ斬り。二人は死骸となって転がった。 二人を殺害した萬次郎は更に狂気し2階へ上がる。表座敷で寝ている安次郎の首を斬りつけ、「ウンウン」と唸り出した ので首を斬り落とす。安次郎の隣で寝ていた妻吉はビックリして目を覚まし叫び声を挙げるや萬次郎は妻吉の左腕を一刀で斬り落とし、続いて右腕も深く斬り込んだ。「人殺し」と絶叫する妻吉の口内に血刀を付き込み、「よくも、わいの悪口をしゃべりおったな」 と舌を切り裂き顎を削いた。妻吉はその場に倒れこんだ。 怪しい物音を聞いて駆けつけた梅吉は萬次郎の異様な姿を見て「兄はん堪忍してぇ」と泣きながら後ずさる。萬次郎はジワリジワリと追い詰め、顔に一太刀次いで背中に二太刀。 階下に降りた萬次郎は「助けてえっ」と叫ぶすみを殺害。化粧室で寝ていたきぬには「オイ大変な用がある、起きろ起きろ」とこまの部屋へ引きずりこみ、後頭部を斬り絶息。 萬次郎は状況確認のため再び2階へ上がる。この時まだ生きていた妻吉は息を潜め死んだふりをしていた。 全員殺害したと思った萬次郎は「そもそもこれは桓武天皇九代の後胤・・・」と船弁慶の一節を唱えながら階段を降りていく。そして真新しい浴衣と袴に着替え、自殺を決意し刀で喉を突こうにも手が震えてなかなか死ねない。結局恥をさらすよりは と表の間に行き、せきに対して「俺は自殺するつもりであったがこれから警察へ自首する。初光は八重の所へ届けて参れ。また重要書類は仏間に置いてあるかられいへ渡して参れ」。そう言い残し萬次郎は人力車に乗って西署へ向かった。ちょうど朝6時、正気に戻った萬次郎は朝日に手を合わせたという。 当時
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