八百半の創業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 11:47 UTC 版)
1930年(昭和5年)12月、熱海市銀座の旅館に新たな店舗を借り、「八百半熱海支店」を開店し、主に旅館との取引での商いを始めた。これが八百半創業元年である。後に大企業のヤオハンへ成長する店も、当時は旅館の軒先を借りての露店で、天秤棒を担いで行商でのスタートだった。 店の草創期、熱海には町一番の八百屋があり、カツはその店に追いつき、追い越すことを目標としていた。まだ電気式の冷蔵庫の普及が不十分な当時、その大店はトラック1台分の野菜を収納可能なほどの冷蔵庫を備えていたのに対して、八百半は家庭用の冷蔵箱(電気式でない氷式の冷蔵庫)しかなく、収納しきれない野菜は、夏季には日を置くと新鮮さが失せることが問題だった。 そこでカツは、夜間も野菜を店に並べたままにし、室内で蒸れないようにと戸を開け放ち、夫と交代で、団扇を片手に寝ずの番をした。平均睡眠4時間の生活が、十数年続いた。夜間には夜露で新鮮さが増す上に、映画館やダンスホールなどで帰りが午前2時、3時頃になる人々も店に寄ることができ、芸妓を連れた男性が見栄を張って高級な物をたくさん買うなどの、副次効果もあった。
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