先発医薬品との違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 16:01 UTC 版)
後発医薬品と先発医薬品では、有効成分の含有量は同一である。このことは生物学的同等性試験によって保証されているが、一方で、後発医薬品の副成分(添加物や基材)、剤形、製法は先発医薬品とは異なる。これは、物質特許の期限は切れていても、製法特許や製造特許、用途特許が切れていない、またはそれらの期限が切れていても、製造工程の細部まで公開されないといった事情があるため、先発薬企業が持っている特許を迂回して製造するのである。 同じ成分の先発医薬品と後発医薬品で効能・効果(適応症)が異なることがある。これは、先発医薬品が有する用途特許が残っており、それが原因で同じ成分の後発医薬品がその効能・効果を謳えないことに起因する。 さらに、実際に使用した患者や医師からは、効果に違いがあるとの意見がある。また、薬の添加物や剤形が変わることにより、例えば薬の溶出速度が変化したり、有効成分が分解されやすくなったり、溶解速度が若干遅くなっていたり、先発品には無い副作用やアレルギー反応が出ることがある。 内服薬の飲みやすさ、外用剤のはがれやすさ、塗布薬や点眼薬の効き目にも、先発医薬品とは違いが生じるため、後発医薬品は「先発医薬品と同等製品」と謳っていても、決して「先発医薬品と同一製品」ではない。特に外用薬については、薬局薬剤師を対象にした厚生労働省「診療報酬改定結果検証部会」のアンケートでも、「後発品に変更しづらい剤形」として上位に挙がっている。 この点について日本ジェネリック医薬品・バイオシミラー学会は「添加物や剤形の変更は先発医薬品でも行われていることから、ジェネリック医薬品に限らず先発医薬品でも同様に起こりうる」と反論しているが、その具体例は挙げられていない。 なお同一成分ながら、患者の疾病に対する効能・効果を有していない後発医薬品を処方または調剤した場合、レセプト審査の際に「不適切な薬剤を投与した」として、医療機関の診療報酬や調剤報酬が減点される。
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