元帥星章
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/15 02:04 UTC 版)
ロシア帝国の元帥には他のヨーロッパ諸国と同じように元帥杖が与えられたが、革命後のソビエト連邦で元帥級以上の階級にある軍人には、金とプラチナの台座にダイヤモンドが埋め込まれた元帥星章(英語版)が授与された。階級に応じて二種類の勲章があり、それぞれ「大型」および「小型」元帥星章と呼ばれた。星章は授与されたものが死去または降等すると勲章を管理するダイヤモンド基金(英語版)に返還され、新たに進級した元帥が再使用することになっていた。 大型元帥星章は1940年に制定され、最初はソ連邦元帥に、1955年からはソ連邦海軍元帥にも授与された。星章の形状は五芒星で、金の台座の上に小型のプラチナ製五芒星が載り、そこにダイヤモンドが星形に埋め込まれている。また、五芒星の光芒の間には小さな金の台座に乗ったダイヤモンドがひとつずつ置かれている。星章の頂点のひとつからは金でできた三角形の鳩目が伸び、鳩目に通された楕円形の鈕に雲紋の綬を通して佩用する。 小型元帥星章はそれぞれ開始時期は異なるが、陸軍上級大将、兵科元帥、海軍元帥に授与された。兵科元帥の一つ上の階級である兵科総元帥についての規定は正式に設けられていないが、各兵科の総元帥たちは自分が兵科元帥だったころの小型星章を佩用していた。こちらも五芒星で金の台座の上とプラチナの台座の上に星形にダイヤモンドがしきつめられ、大型星章と同じように楕円形の鈕に綬を通して佩用する。 ソビエト連邦の崩壊後に兵科総元帥および兵科元帥の階級は廃止されたが、ソ連時代にこれらの階級に進んだことで元帥星章を受章した者も、章を手元に保管してもよいとされた。ロシア連邦でも星章が授与されることになっていたが、1997年に制度が廃止され、新規授与者はなくなった。もっとも、それ以前に元帥星章を授与された者については廃止後にもこれを佩用している姿が確認されている。 大型元帥星章 小型元帥星章
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