僕の贈りもの (アルバム)とは? わかりやすく解説

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僕の贈りもの (アルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/18 08:44 UTC 版)

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オフ・コース1 ⁄ 僕の贈りもの
オフ・コーススタジオ・アルバム
リリース
ジャンル
レーベル EXPRESS ⁄ 東芝音楽工業
プロデュース
  • 橋場正敏
  • オフ・コース
オフ・コース アルバム 年表
-
  • オフ・コース1 ⁄ 僕の贈りもの
  • (1973年 (1973)
『オフ・コース1 ⁄ 僕の贈りもの』収録のシングル
  1. 僕の贈りもの ⁄ めぐり逢う今
    リリース: 1973年2月20日 (1973-02-20)
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オフ・コース1 ⁄ 僕の贈りもの』(オフ・コース1 ぼくのおくりもの)は、1973年6月5日に発売されたオフコース(当時の表記はオフ・コース)通算1作目のオリジナルアルバム

『僕の贈りもの』のジャケット撮影が行われた根岸森林公園(横浜市中区

解説

オフコースが小田和正鈴木康博の2人組となって約1年後の1972年夏、デビュー・アルバム制作のプランが持ち上がり、それぞれに書き溜めたオリジナル曲を持ち寄ってレコーディングが行われた。全曲が小田・鈴木のオリジナル曲で構成され、デビュー以降それまでにリリースされた3枚のシングルは、他人の作品だからとの理由により収録されなかった[注釈 1][注釈 2][注釈 3]プロデュースは当時アリスを手がけていた橋場正敏が担当したが、メンバーとの関係はあまり良好ではなかったという[注釈 4]

レコーディング・メンバーは小田・鈴木の他に矢沢透ドラムス)、重実博(ベース)。この2人は、杉田二郎がジローズで活動していた頃バックを務めたことがあり、その頃からオフコースとも親しくなっていた。基本の音はすべてこの4人で録音された。重実によれば「ともかく時間がかかった。オフコースは2人とも、まぁうまい人たちだったけど、今よりずっと下手だったんだ。センスなんかも良いんだけど、今に比べるとやっぱり下手だった。で、キンちゃん(矢沢)も僕もテクニシャンじゃないし、いわば4人とも下手だったわけ。だから録音の時、曲の最後まで辿り着くのがやっとみたいな。4人のうち3人がうまくいっても誰かひとりが間違えたり」「楽器を重ねた数はそれほど多くなくて、コーラスがダビングの中では比重を占めてたね。当時、コーラスが多重っていうのは日本で画期的だったと思う。マルチ・レコーディングが始まったばかりで録音技術自体、未熟な頃だもの。だから例えば音質を決めるのに、最初はただ録っておいて、ミックス・ダウンの段階で決めればいいみたいに考えていたわけ。本当は、最初に良い音で録っておかないと、後ではそれ程変えられないんだよね。……でも本当に、必死になってなんとか良いものをつくろうって、根性の結集みたいな迫力はあった。制作期間は……二か月位やってたかなぁ? 当時のアルバム制作としては、時間をとっていたほうだと思う。もっとも歌謡曲に比べればだけど。僕のギャラが全部で5万円位でした」[book 1]と、後に当時のレコーディングの模様をこう語っていた。

レコーディングは、他のスケジュールの合間を縫って進められ、約1か月半で終了した。収録された11曲中、3曲だけが新たに作ったもので、その他はステージで歌い続けてきた曲だった。

A-1「僕の贈りもの」は、シングルとは別ミックスで[注釈 5]、エンディングも20秒ほど短い。

A-4「水曜日の午後」はライブでは鈴木がリードボーカルを取っていた。小田が持ち寄ったこの歌を聞いた鈴木が「いい歌だね」と言うと小田が「だったら、ヤスが歌ってみるか?」と持ちかけ、実現したという。しかし、レコーディングでは「作者が歌ったほうがいい」というディレクターの意向で小田がリード・ボーカルをとっている。根本要が「オフコースの曲の中でいちばん好き」とコメントしており、1996年、阿蘇で行われたスターダスト・レビューとのジョイントコンサートで小田自身「まさかまたこの歌を歌うとは思わなかった」と言いながら披露した。小田が交通事故からの復帰後初のスターダスト・レビューとのジョイントコンサートでも歌っている[注釈 6]

B-5「さわやかな朝をむかえるために」は小田の作詞・作曲だが、リード・ボーカルは鈴木がとっている。この他A-2「よみがえるひととき」を小田、A-6「でももう花はいらない」とB-4「静かな昼下がり」を鈴木がそれぞれリード・ボーカルを手がけているが、それ以外の曲は小田と鈴木のデュエット。後に、何故「さわやかな朝をむかえるために」のボーカルを担当する事になったか、とのファンから寄せられた質問に対し、鈴木は自身の公式ホームページで「ボクが歌っていたことさえ忘れていました。思い出せません」「はぁ、ボクが歌っていたことすら忘れていました。そうだったでしたっけ?」と答えている。

A-1「僕の贈りもの」とA-4「水曜日の午後」、A-6「でももう花はいらない」は後にベスト・アルバムSELECTION 1973-78[注釈 7]に収録された。

ジャケットは横浜市の根岸森林公園で撮影された。2人の前にある白いピアノはジャケット撮影用に作った模型。

この頃、小田は東北大学工学部建築学科を卒業してから1年後、オフコースの活動と並行して早稲田大学大学院理工学研究科に進学、建築と音楽のどちらをとるかの答えをまだ出せずにいた。一方、鈴木は東京工業大学工学部制御工学科を卒業後、内定していた安川電機への就職を辞退してミュージシャンとしての活動へ踏み出していた。

収録曲

SIDE A
# タイトル 作詞・作曲 時間
1. 僕の贈りもの 小田和正
2. よみがえるひととき 小田和正
3. 彼のほほえみ 鈴木康博
4. 水曜日の午後 小田和正
5. 地球は狭くなりました 小田和正
6. でももう花はいらない 鈴木康博
SIDE B
# タイトル 作詞・作曲 時間
1. 歩こう 鈴木康博
2. ほんの少しの間だけ 小田和正
3. 貼り忘れた写真 鈴木康博
4. 静かな昼下がり 鈴木康博
5. さわやかな朝をむかえるために 小田和正

クレジット

オール・ヴォーカル:オフ・コース
ベーシック・アレンジ:オフ・コース、重実博、矢沢透
ストリングス・ブラス・アレンジ:青木望
 
Time : Side 1 (3'17")(2'43")(3'22")(2'47")(2'39")(3'59")  Side 2 (2'53")(2'05")(2'52")(2'16")(3'47")
 

TOCT-25631, TOCT-95031

オフ・コース1 ⁄ 僕の贈りもの
オフ・コーススタジオ・アルバム
リリース
ジャンル
時間
レーベル
  • EXPRESS ⁄ TOSHIBA EMI (TOCT-25631)
  • EXPRESS ⁄ EMI Music Japan (TOCT-95031)
プロデュース
  • 橋場正敏
  • オフ・コース
EANコード
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解説

2005年、レコード・デビュー35周年にあわせ“オリジナル・アルバム15タイトル紙ジャケット・シリーズ”としてエキスプレス・レーベル在籍中のオリジナル作品がリイシュー。24ビット・デジタル・リマスタリング、オリジナルLP装丁を復刻した紙ジャケット仕様にてリリースされた。2009年にはSHM-CDフォーマット、通常のプラ・ケース仕様で再発された。

収録曲

  1. 僕の贈りもの
  2. よみがえるひととき
  3. 彼のほほえみ
  4. 水曜日の午後
  5. 地球は狭くなりました
  6. でももう花はいらない
  7. 歩こう
  8. ほんの少しの間だけ
  9. 貼り忘れた写真
  10. 静かな昼下がり
  11. さわやかな朝をむかえるために

クレジット

  • リマスタリング・エンジニア:行方洋一
  • ジャケット資料協力:喜多雅美 (サウンドステーション)
  • ライナーノーツ:田家秀樹

リリース履歴

# 発売日 リリース 規格 品番 備考
1 1973年6月5日 (1973-06-05) エキスプレス ⁄ 東芝音楽工業
LP
ETP-8258 ゲートフォールドジャケット。定価:1800円
2 197?年 (197?) エキスプレス ⁄ 東芝EMI
LP
ETP-8258 ゲートフォールドジャケット。東芝EMIへの社名変更と価格改定:2000円
3 197?年 (197?)
LP
ETP-72118 シングルジャケットによる再発規格。価格改定:2300円。後の紙ジャケットCDはこれを基準に作成。
4 1979年 (1979)
CT
ZT25-319  
5 1983年11月21日 (1983-11-21)
CD
CA35-1040 初CD化(以降全てアーティスト非監修による再発)。
6 1985年9月28日 (1985-09-28)
CD
CA32-1156 品番および価格改定。
7 1987年7月5日 (1987-07-05)
CD
CA25-1480 オリジナル・アルバム+ボーナス・ディスクの12枚組CD-BOX『OFF COURSE BOX』(CA25-1480~1490)の中の1枚。
CT
ZH22-1850 オリジナル・アルバム+ボーナス・カセットの12本組カセットBOX『OFF COURSE BOX』(ZH22-1850-60)の中の1本。
8 1991年6月7日 (1991-06-07)
CD
TOCT-6201  
9 1992年6月24日 (1992-06-24)
CD
TOCT-6560 音蔵シリーズでの再発。
10 1998年2月25日 (1998-02-25)
CD
TOCT-10084 Q盤シリーズでの再発。
11 1998年11月18日 (1998-11-18)
CD
TOCT-10542 オリジナル・アルバム+ライブ・アルバム全13タイトルの14枚組CD-BOX『OFF COURSE BOX』(TOCT-10542~55)の中の1枚。
12 2001年6月27日 (2001-06-27)
CD
TOCT-10771 スーパーリマスタリングシリーズでの再発。
13 2005年3月24日 (2005-03-24)
CD
TOCT-25631 紙ジャケット仕様(見開きジャケットは再現されていない)。24ビット・デジタル・リマスタリング音源による再発。
14 2009年1月21日 (2009-01-21) エキスプレス ⁄ EMIミュージック・ジャパン TOCT-95031  
15 2019年9月25日 (2019-09-25) UNIVERSAL MUSIC JAPAN MQA/UHQCD UPCY-40034 【ハイレゾCD名盤シリーズ オフコース編】の1枚。オリジナル・アナログ・テープを基にした2015年 (2015)192kHz/24bitマスターを176.4kHz/24bitに変換して収録。グリーン・カラー・レーベルコートによる、生産限定盤。クリアファイル型の帯は付属していない。
16 2020年10月28日 (2020-10-28) USM JAPAN / UNIVERSAL MUSIC LLC
CD
UPCX-4278 オリジナル14作品、ライブ2作品、ベスト3作品、サウンドトラック1作品を1BOXに収録した全21枚組CD BOXコンプリート・アルバム・コレクションCD BOX』(UPCY-9923)の中の1タイトル。12cm紙ジャケット仕様。

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 群衆の中で」 1970年4月5日 (1970-04-05)発売 EXPRESS ⁄ 東芝音楽工業 7":EP-1224
  2. ^ 夜明けを告げに」 1971年10月5日 (1971-10-05)発売 EXPRESS ⁄ 東芝音楽工業 7":ETP-2527
  3. ^ おさらば」 1972年4月25日 (1972-04-25)発売 EXPRESS ⁄ 東芝音楽工業 7":ETP-2647
  4. ^ 後に小田が自身の著書『TIME CAN'T WAIT』(1990年12月25日 (1990-12-25)初版 朝日新聞社)での“タンバリン”という章で触れている。
  5. ^ 僕の贈りもの」 1973年2月20日 (1973-02-20)発売 EXPRESS ⁄ 東芝音楽工業 7":ETP-2809
  6. ^ 1998年9月12日 (1998-09-12)、福岡市海の中道海浜公園
  7. ^ SELECTION 1973-78』 1978年5月5日 (1978-05-05)発売 EXPRESS ⁄ TOSHIBA EMI LP:ETP-80015

出典

書籍

  1. ^ オフコース・ファミリー著『はじめの一歩 1』(サンリオ)P147-151、1983年8月15日 (1983-08-15)初版発行

その他

  1. ^ 【CD】オフ・コース1 / 僕の贈りもの<初回限定盤>” (日本語). TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード株式会社. 2017年2月3日閲覧。
  2. ^ 【SHM-CD】僕の贈りもの<完全生産限定盤>” (日本語). TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード株式会社. 2017年2月3日閲覧。

外部リンク

音楽配信サイト

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