偽情報による戦力比の無効・無力化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/06/15 21:59 UTC 版)
「戦力比」の記事における「偽情報による戦力比の無効・無力化」の解説
古くは赤壁の戦いなどでも見られ、戦力を誇張した偽情報を送ることによって、敵を撤退させる戦術であり、情報戦や知略(交渉)によって戦力比(戦闘結果の予測)を根本からくつがえすことは可能である。極端な例として、二次大戦下、終戦間近のヨーロッパにおいて、米軍のジープ1台がうっかりドイツ戦車大隊と鉢合わせをしたが、機知を働かせ降伏させている(ジープ1台の戦力で戦車40両前後に揺さぶりをかけた稀例)。厳密には、3人だけでドイツ将校に向かい、「降伏勧告をしに来た」とハッタリをかまし、「3人だけでか?」と余裕ある態度で返答してきたドイツ兵に対し、「我々の後方にはアメリカ空挺部隊がおり、さらにその後ろにはソ連の大軍勢が待機している」とありもしない大部隊の存在をひけらかし、たった3人でドイツ戦車大隊を降伏させた(これが日本軍であれば、通じない心理戦であり、運任せである)。これらは戦わずして勝った事例であり、士気が下がっている状況下では、絶対的な戦力比であっても心理戦の前では無力化される。 偽情報によって戦力比をくつがえす戦術例は日本にも古くからあり、『平家物語』安元3年(1177年)4月13日条の記述として、皇居を警備する平家約3千騎と源氏約3百騎が配置されていたが、これを知った僧兵団は小勢の源氏方を狙おうとした。しかし源頼政は巧妙な戦術を駆使し、僧兵団の矛先を源氏の10倍もある平家方に変更させ、激突させ、敗退させることに成功した。一方が小勢であるという情報を利用し、心理誘導(自軍が優位と錯覚)をさせ、大軍の方にぶつけさせる情報戦(所在を偽り、誘導)の好例といえるものでもある。
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