保健換気
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 18:09 UTC 版)
空気の入れ替えの行われない空間に長時間在室することは、利用者の身体にとって好ましくない。呼吸により二酸化炭素を排出し、酸素を取り込むほか、人間は水蒸気・熱・体臭などをたえず発し、それによって室内空気環境は刻々と変化していく。建材に含まれるホルムアルデヒド・アセトアルデヒド・トルエンなどの有害物質が人体に与える悪影響も、シックハウス症候群として知られている。また、排泄・喫煙・調理・食事などの行為も、空気環境を大きく変化させる要因である。 通常は二酸化炭素の増加や酸素の減少が呼吸に支障をきたすというより、むしろそれ以前に熱や湿気、臭気が在室者に頭痛や吐き気をもたらす。こうした現象を防ぎ、人の健康状態を守るために行われるのが保健換気である。 一人あたりの必要換気量は、30 m3/(h・人)とされているが、これは建築物衛生法の衛生管理基準値(CO2濃度:1000ppm以下)を満たすため、呼気のCO2濃度(0.02[m3/(h・人)])から算出した値であり、以下の式で計算できる。 Q=M/(Ci-Co)=呼気のCO2濃度/((室内濃度-外気濃度)×10^-6[m3/ m3]) =0.02[m3/(h・人)]/((1000-350)×10^-6[m3/ m3])≒30 m3/(h・人) ※外気のCO2濃度は350ppmと仮定して計算しているため、大気中のCO2濃度の値が400ppmを超えている現状では、必要換気量が異なる。 感染症対策において、リスク要因の一つである「換気の悪い密閉空間」とは、一般的な建築物の空気環境の基準を満たしていないことを指すものと考えられる。その意味では、ビル管理法の基準に適合させるために必要とされる換気量(30 m3/(h・人)=CO2濃度:1000ppm以下)を満たせば、「換気の悪い密閉空間」には当てはまらないと考えられる。
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