低硫黄化(脱硫)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 21:47 UTC 版)
環境規制に対応するため、自動車の触媒やディーゼルパティキュレートフィルター(DPF)に悪影響を及ぼす硫黄分を減らす、低硫黄(サルファーフリー)化が1992年(平成4年)に5,000 ppm から2,000 ppm へ、1997年(平成9年)からは500 ppm へと段階的に進められ、日本国政府の規制においては2005年(平成17年)から50 ppm へ、東京大気汚染訴訟後の2007年(平成19年)から10 ppm へと、さらなる低硫黄化が進められた。 日本では2004年(平成16年)末、自動車排出ガス規制に関連する「自動車燃料品質規制値」の変更に伴い、軽油に含まれる硫黄の許容限界は、従来の0.01 %質量以下から0.005 %質量(50 ppm )以下へと改められ、2007年(平成19年)からは10 ppm 以下へと改められた。 なお、石油連盟に加盟する元売りにおける、50 ppmおよび10 ppmの供給は、日本国政府の規制より早く、50 ppmは1年9ヶ月早い2003年(平成15年)4月より、10 ppmは2年前倒しで2005年(平成17年)1月から自主的に供給する形となった。 これらは世界的にも早く、欧州連合やアメリカ合衆国では広範囲な地域に供給が及ぶため単純な比較は出来ないものの、EUやアメリカよりも早く、統一したサルファーフリー軽油の供給が成されたことになる。なおEUの規制では50 ppmが2005年から、10 ppmが2009年から、アメリカでは2006年6月1日より15 ppm(ノンロード用除く)となっている。 燃料内の硫黄分は、噴射ポンプと噴射ノズルの潤滑のためには必要な要素であったため、脱硫した軽油には潤滑剤(材)が添加されている。
※この「低硫黄化(脱硫)」の解説は、「軽油」の解説の一部です。
「低硫黄化(脱硫)」を含む「軽油」の記事については、「軽油」の概要を参照ください。
- 低硫黄化のページへのリンク