低発熱CPUへのファンレス対応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 03:36 UTC 版)
「CPUの冷却装置」の記事における「低発熱CPUへのファンレス対応」の解説
一方で、Pentiumをはじめとするx86プロセッサが性能に比例して増大する発熱に対応して冷却装置の強化に迫られたのに対し、性能当たりの消費電力が比較的少ないPowerPCを採用したMacintoshでは、CPUの冷却装置に小型でファンレスのヒートシンクを採用しつづけた。特に消費電力の低いPowerPC G3を搭載したiMac、PowerPC G4を搭載した Power Mac G4 Cubeは筐体の放熱ファンも廃止してエアフローを意識したファンレス設計とし、静音性に優れていた。構成部品のヒートシンクから放たれた熱は空気の自然対流で外部に逃がされる。 また、2000年代後半になると、x86プロセッサでも、Atom・Geode・C7など、発熱量の少ない省電力CPUも登場し、ファンレスのPC/AT互換機が現れた。また、発熱量がさほど多くないCPU(Core 2 Duo、Core i7、Core i5の一部など)でも静音化のためCPUファンを排除する場合もある(Mac miniなど)が、それなりの大きさのヒートシンクが必要になる。なお、チップセットは、2020年現在もヒートシンクのみによる冷却が用いられることが多いが、かつてのNVIDIA nForce 4 SLIチップセットや、AMD X570チップセットのようにハイエンドの製品では小型ファンによって冷却するものもある。 Intel SpeedStep テクノロジは当初ノートPCのバッテリー消費を抑える機能であったが、デスクトップPCでもアイドリングやそれに近い状態であれば周波数や電圧を落とすことで消費電力や発熱を抑えるために利用されている。 2020年代には消費電力や周波数をごく短時間であれば超過する機能(インテル ターボ・ブースト・テクノロジー)や、逆に熱破壊を防ぐために温度上昇により自動で周波数を落とす機能(サーマルスロットリング)が標準となったこともあり、本来の性能を引き出すにはTDP以上の冷却能力を備えたCPUクーラーの重要性が増している。
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