低発泡異型押出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 08:23 UTC 版)
一般に合成木材と呼ばれる発泡倍率1.4 - 2.0倍程度は、気泡部分が現れず平滑な表面状態に仕上げるための工夫が施される。主原料はPS、PVC、PEあるいはABS樹脂が用いられ、アゾジカルボン酸アミドを発泡剤に、酢酸亜鉛や金属石鹸またはタルク類を発泡助剤に使用する。成形は溶融発泡成形法の一段法に準拠するが、押出しダイを通して自由発泡させた後にサイジングを施す方法(フリー発泡法)と、特殊な押出しダイを用いて表面を先に固化させる方法(セルカプロセス、セルカ発泡法)がある。 フリー発泡法に用いる押出しダイは、流路断面の変化は緩やかに、ランド部は極端に短くしてクロムめっきする必要がある。これは流路断面積が急激に変動するような設計だと局部的にガス部分の発泡が起こり、表面の荒れや気泡の破壊が起こるためである。この押出しダイを通して吐出発泡が始まった合成樹脂を、20 -150mm離したサイジングダイに通し冷却する。これにより外側が固定された中で内部のみで発泡が続き、表面が平滑で寸法が定まった成形品が連続的に得られる。 フランスのユージンクルマーン社が開発したセルカプロセスは、中にマンドレル(芯金)を持つダイを用いて中空状に押出し、ダイ出口と同形の冷却サイジングを通過させていち早く表面を固化させる。これにより発泡がもたらす膨張は中空で押出された合成樹脂の内側のみに向かい、やはり表面が滑らかな成形品を連続して得ることができる。
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