伝送成功率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/09 06:27 UTC 版)
詳細は「en:Goodput」を参照 伝送成功率(英語版)(英: Goodput)とは、全てのプロトコルオーバーヘッド、データパケットの再送信や、その他の容量的あるいは時間的オーバーヘッドなどを取り除き、アプリケーション層レベルで達成された実効伝送速度を指す。伝送成功率は、アプリケーション層で必要とされるパケットあるいはデータ流の最初のビットから最後のビットまでが送受信される時間に関係する。 例えば、ファイル転送の場合、伝送成功率は達成されたファイル転送速度、すなわち転送するファイルサイズ÷転送時間である。 ファイル転送速度(ビット毎秒) = 転送ファイルサイズ (バイト) ÷ 転送時間(秒) × 8 通常、伝送成功率は物理層やネットワーク層におけるビットレートよりも低く、その要因となる容量的または時間的要素には以下がある。 プロトコルオーバーヘッド 通常、トランスポート層、ネットワーク層、データリンク層プロトコルのオーバーヘッドは伝送成功率からは除外される。 トランスポート層フロー制御と輻輳回避 フロー/輻輳制御のアルゴリズム、例えばTCPスロースタートなどは、達成可能な最大実効伝送速度よりも低い伝送成功率を引き起こす。 輻輳したスイッチやルータで発生したパケット損失等によってトランスポート層再送要求 (ARQ)が起きそれにより損失等パケットの再送信が行われるが、実効伝送速度から除外される。 その他、下記の要素が伝送成功率に影響を及ぼしうる。 パケット処理遅延 パケットの処理に掛かる遅延時間。 * 一般的にスイッチよりもルータが大きい。アドレス変換やプロトコル処理(カプセル化など)が高度になるほど大きくなる。 * 各層で連続処理されるパケットの間で時間的なギャップ(隙間)がほぼ不可避的に生じる。これは帯域幅の高速化に伴い無視できない割合となる。 パケット伝送遅延 殆どのルータは蓄積回送(英: store and forward)方式を採用し、上の処理遅延の他、キューイング遅延を生じうる。 パケット伝搬遅延 エンド2地点間を結ぶネットワーク経路上の遅延は次の式で表される。(ネットワーク経路上の全てのルータ/スイッチにおける処理遅延と伝送遅延の総和) + (ネットワーク経路上の全ての物理伝送路の距離を光速で割った伝搬遅延の総和) ネットワーク機器またはプロトコルによってデータ圧縮が提供されない場合、特定の通信経路に対して次の関係がある。 伝送成功率 ≤ 実効伝送速度 ≤ 最大実効伝送速度 ≤ 正味ビット速度
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