伝説的な歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/13 14:28 UTC 版)
「メンフィス (エジプト)」の記事における「伝説的な歴史」の解説
マネトによって記録された伝説では、最初に上下エジプトを統一したファラオであるメネスがナイル川を堤防で迂回させ、ナイル川沿いの地にメンフィスを建設した。ギリシア人の歴史家ヘロドトスも同様の内容を残しているが、彼自身が残した記録によればヘロドトスはペルシア人の支配下にあったメンフィスに滞在しており、ペルシア人はナイル川の堤防に特に注意を払っているので、この都市は毎年のナイル川の洪水(英語版)から守られているのだと記している。学術的にはメネスはローマの王ロムルスと同じように恐らく神話上の架空の王であろうと見なされている。一部の学者が主張する説では、メンフィスが統一エジプトの最初の首都であることは疑いないが、エジプトは恐らく互いに必要性に駆られて統一され、文化的な繋がりや貿易関係が強化されたのだとされている。また、多くのエジプト学者達は伝説的なメネス王を歴史上実在の確認されているナルメルと同一人物であると考えていた。ナルメルは下エジプトのナイルデルタを征服し王となったことが、ナルメルのパレット(英語版)と呼ばれる遺物の中で描かれている。このパレットは紀元前31世紀頃の物であり、従ってこれはメネスによるエジプト統一の物語と結びつけられると考えられた。しかしながら、2012年に先王朝時代の王イリ・ホルがメンフィスを訪問していることを描写した碑文がシナイで発見された。イリ・ホルはナルメルよりも2代前の王であるので、ナルメルがこの都市の創設者であると言うことはありえない。
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