代替エネルギーとしての適格性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 21:43 UTC 版)
「バイオマスエタノール」の記事における「代替エネルギーとしての適格性」の解説
カーボンニュートラル バイオマスエタノールの原料を生産するためには、農業機械を動かし、肥料や農薬を投入しなければならない。また、原料からエタノールを生産する際にもエネルギーが必要である。仮にこうした投入資源やエネルギーの相当量が原油や石炭などの化石燃料に由来する場合、バイオマスエタノール自体はカーボンニュートラルであっても、生産から消費までの全ての過程を通じてみれば追加的なCO2が放出されている可能性は否定できない。そのため、バイオエタノールの生産方法別によるライフサイクルCO2によって評価をする必要がある。 エネルギー収支 バイオマス・エタノールを生産する過程で投入されるエネルギーとバイオマス・エタノールを燃焼して得られるエネルギーとを比べて、生産に合理性があるかを考慮する必要がある。投入エネルギーと得られるエネルギーの差が小さければ、農作物を消費してまでバイオマス・エタノールを生産する必要がないかも知れない。 投入エネルギーと得られるエネルギーの比を数値化して表すのには、EPR(Energy profit ratio、エネルギー利益率)という考えが使われる。EPR = 出力エネルギー/入力エネルギー 例えば、原油の場合、初期の油田では自噴するなどで簡単に採掘できるためEPRは100程度となるが、枯れ始めた油田では10程度に低下する。オイルサンドは流動性のない重い砂から重質油を分離処理する必要があるので、1.5程度となり極めて効率の悪いエネルギー資源であることが判る。バイオマス・エタノールはかなり低い数値であるといわれているが、作物や製法によっても異なることから、信頼できる情報は得られていない。
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