他の集電方式との併用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/27 14:07 UTC 版)
「架空電車線方式」の記事における「他の集電方式との併用」の解説
第三軌条方式やディーゼル発電機による集電と併用する場合がある。日本では信越本線の碓氷峠区間の機関車に架空電車線方式と第三軌条集電を併用したハイブリッド集電が見られたが、1963年に架空電車線方式の新線に切り替えられ消滅した。現在、他の集電方式と併用して運用されている路線や両電化方式を行き来できる電気機関車や電車は存在しない。2025年日本国際博覧会に合わせ、近畿日本鉄道が同社の奈良線(架空電車線方式)とけいはんな線(第三軌条方式)、Osaka Metro中央線(同)を直通できる専用車両を開発する構想を発表している。また、両電化方式が混在するアメリカのニューヨーク近郊のメトロノース鉄道における専用車両について、日本の鉄道車両メーカーである東急車輛製造と川崎重工業が納入した実績がある。 海外では上述のメトロノース鉄道以外にも今も現役の区間がいくつかあり、両方の集電方式に対応した電車や電気機関車が活躍している。また、普段はディーゼル発電機によって発電した電気で走る電気式ディーゼル機関車として運用されているが、排気ガス規制のある地下のターミナル駅に乗り入れる際にはエンジンを止めて第三軌条方式(もしくは架空電車線方式)によって集電した電気によって走る電気機関車とすることで乗り入れを可能とした車両がある。複数の電化方式に対応した高価な専用車両を用いなくとも直通運転や、ホームの効率的な運用ができるように同じ区間が架空電車線方式と第三軌条方式の両方の方式で電化された箇所もあり、主に大きなターミナル駅構内やその周辺に多い。 両電化方式に対応した日本国鉄ED42形 第三軌条方式の路線を走る高速列車ユーロスター373系電車 両電化方式に対応。台車に集電靴、屋根上にパンタグラフを備えるメトロノース鉄道M8形電車 パンタグラフからの集電で走行中のインド国鉄WDAP-5形ディーゼル機関車 電気機関車としてニューヨークの地下駅に乗り入れたロングアイランド鉄道のディーゼル機関車 両方の方式で電化されたイギリスのファリンドン駅構内
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