今後予想される破局噴火
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 08:14 UTC 版)
アメリカ合衆国のイエローストーン国立公園には、公園の面積に匹敵する(8,980km2)超巨大なマグマ溜まりが存在することが確認されている。約220万年前、約130万年前、約64万年前の計3回破局噴火を起こしており、現在貯留している9,000km3のマグマ溜まりが噴出した際には、人類の存亡の危機となることが予想されている。約64万年前の比較的小さな噴火でも、ワシントン州セント・ヘレンズ山の1980年の噴火(VEI=5)の1,000倍の規模である。そして噴火の周期は約60万年であり、既に最後の噴火から64万年経過している。 イエローストーン国立公園では地震が活発化しており、21世紀初頭の10年間で公園全体が10cm以上隆起し、池が干上がったり、噴気が活発化するなど危険な兆候が観察され、新たに立ち入り禁止区域を設置したり、観測機器を増設したりしている。アメリカ地方紙デンバーポスト(英語版)は、米国地質監査局のリーズ地質科学者が、イエローストーン公園内の湖の底で高さ30m以上、直径600m以上の巨大な隆起を発見したと伝えている。 イギリスの科学者によるシミュレーションでは、もしイエローストーン国立公園の破局噴火が起きた場合、3 - 4日内に大量の火山灰がヨーロッパ大陸に着き、米国の75%の土地の環境が変わり、火山から半径1,000km以内に住む90%の人が火山灰で窒息死し、地球の年平均気温は10度下がり(場所によっては12度)、その寒冷気候は6年から10年間続くとされている。 神戸大学の研究チームは、2014年10月22日、カルデラを形成するような巨大噴火が日本列島で今後100年間に発生する確率は約1%とする試算結果を発表した。2014年に始まった原子力規制委員会における川内原子力発電所の再稼働をめぐる議論では、複数のカルデラが存在する南九州における巨大噴火のリスクをどの程度見積もるかが論じられている。
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