五院
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/10 08:57 UTC 版)
中華民国では、三民主義の考えに従って「立法」、「司法」、「行政」、「考試」、「監察」の五権分立制が採られており、五権それぞれに「院」が設置されている。 立法院は日本の国会に相当する最高立法機関で、法律の制定や予算の審議、会計審査や行政院が行う国政の監督を行っている。立法院は113人の立法委員(国会議員)によって構成され、立法委員は直接選挙で選ばれている。 司法院は国家の最高司法機関で、各種訴訟の裁判や公務員の懲戒を担当している。司法院は大法官会議を設置し、15人の大法官で構成され、立法院の同意を経て総統が任命している。大法官会議は違憲審査権を有する。司法院の下で、さらに最高法院(最高裁判所)、高等法院(高等裁判所)など通常の裁判所システムがあり、通常の民刑事事件を審理する。司法行政を担う司法院は、日本の最高裁判所事務総局のような役割を有している。 行政院は日本の内閣に相当する最高行政機関で、最高職は行政院長(首相)である。行政院は三つの段階に分かれており、第一段階は行政院会議、第二段階は八つの部(内政部、外交部、国防部、財政部、教育部、法務部、経済部、交通部。部は日本の省に相当)と蒙蔵委員会、僑務委員会からなる行政機関、第三段階は行政院主計処、行政院新聞局とその他の下部部局(特別・臨時委員会も含む)である。 考試院は日本の人事院に相当し、全ての公務員の採用試験や任用、管理を行っている。考試委員の任期は6年で、立法院の同意を経て総統が任命している。中華民国の公務員は考試院の採用試験と資格審査を受けることが法律で定められている。 監察院は公務員の弾劾、糾明及び国政調査を行っている。監察院は29人の委員で構成されており、立法院の同意を経て総統が任命している。監察院の委員はかつて選挙で任命されていたが、大陸部選出の委員が終身化してしまったため憲法改正により現在の仕組みに改められた。 立法院 司法院 行政院 考試院 監察院
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