主人公問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 04:16 UTC 版)
「必殺シリーズ#中村主水の主人公問題」も参照 ドラマにおいては通常、配役表の先頭には主人公(並びに演じた俳優)が記されるのが慣例になっている。初登場作の『必殺仕置人』は主水では無く、念仏の鉄が主人公として扱われたため、エンディング クレジットは鉄を演じる山崎努が先頭に、主水演じる藤田が最後(トメ)に配置されていた。再度レギュラー入りした『暗闇仕留人』も石坂浩二が主演という扱いだったため藤田の名前はトメに置かれた。 しかし『必殺必中仕事屋稼業』の放送期間中にネットチェンジによって東京地区でのネット局がTBSからNETテレビに変更されたことに伴い視聴率が低迷。この打開策として次作『必殺仕置屋稼業』では人気のあった主水が初めて主役として扱われることになった。ところが藤田の完全な主役扱いに市松役の沖雅也の義父で所属事務所社長だった日景忠男から執拗な抗議を受けたためクレジットは沖が先頭に置かれ藤田は主役ながらトメに置かれた。さらに再度主役となった『必殺仕業人』でも何の相談もなくクレジットの先頭は中村敦夫とされまたもトメに回された。藤田及び当時、藤田が在籍していた渡辺プロダクションはこれについて、制作サイドに幾度となく申し入れを行っていたが、クレジットの配置が変更されることはなかった。 一方、局側もこの扱いに対して何の配慮もしなかったわけではなく、藤田のクレジットに手を加えて強調することで藤田が主役であることをアピールしようとした。しかしながら結果的には視聴者に不自然な印象を与えただけで効果はほとんどなく、結局多くのメディアや視聴者に沖(中村)が主役であるという間違った印象を与えることになった。 そのような事情の中で、山崎が再びレギュラー出演することになった『新・必殺仕置人』の制作が決定。藤田側はこれに対し、またも名前がトメに回される可能性が高くなったと判断し、必殺シリーズそのものを降板する構えを見せ、厳重に抗議。これに局側も折れて、藤田の名前がキャストの最初に登場するようになり、それ以降はゲスト出演の『必殺剣劇人』を含め、エンディングの先頭を飾った。『必殺仕事人2007』以降は主役の座を東山紀之に譲り、トメに回っている。
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